
新卒の試用期間でも退職できる?退職理由や次の進路先を解説
はじめに
入社したばかりなのに「思っていた仕事と違う」「人間関係がつらい」と感じ、試用期間でも退職したいと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、試用期間とは何か、退職するメリット・デメリット、そして退職手順まで解説します。
第二新卒としての新たなスタートを切るか、今の職場で頑張るべきか判断してみましょう。
試用期間とは
試用期間とは、企業が本採用の前に設ける仮採用の期間です。
この期間中、企業は新入社員の能力や適性、人間性などを評価します。
ここでは、試用期間の基本的な定義から期間の長さ、会社が設定する目的、さらには研修期間との違いまでを解説します。
試用期間中の退職を考える前に、まずはこの制度について正しく理解しましょう。
会社が設ける仮採用期間
試用期間中の従業員は法律上は正社員と同じ扱いを受けますが、会社側には一定の条件下で本採用を拒否する権利があります。
労働契約法では、「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合」に限り、本採用を拒否できると定められています。
試用期間中は給与面で差が生じることもあります。
多くの企業では基本給の80〜90%程度が支給される場合が一般的です。
ただし、最低賃金法は遵守する必要があります。
新卒者にとって試用期間は不安な時期かもしれませんが、この期間は双方向の評価期間でもあります。
会社が自分に合っているかを見極める大切な時間としても活用できます。
会社との相性を確認し、長期的なキャリアを考える機会としても捉えましょう。
試用期間はどれくらいある?
試用期間は一般的に1〜6ヶ月程度で設定されており、最長でも1年程度です。
試用期間の長さについては、労働基準法などで明確な規定はありません。
しかし、民法90条の「公序良俗」の観点から最長1年以内と定められています。
実際に働きながら社員としての勤務態度・能力・スキルを評価するための期間として試用期間を設けているのです。
試用期間中も労働契約は締結されているため、基本的な労働条件や権利は本採用と同様です。
ただし、給与面で差が生じる場合もあるため、事前に労働条件を確認しておくことが大切です。
試用期間の目的は?
試用期間の主な目的は、企業が新入社員の適性や能力を実務を通じて見極めるためのものです。
企業は採用活動において面接や適性検査を実施しますが、短時間の選考だけでは応募者の本質を見抜くことが困難です。
昨今では早ければ面接1回で内定が決まることもありますが、これだけでは従業員としての適性を正確に判断できません。
そのため、実際に業務に従事させながら「勤務態度が良好か」「必要なスキルや知識があるか」といった点を評価する期間が必要なのです。
試用期間は企業側だけでなく労働者側にもメリットがあります。
労働者自身も職場環境や仕事内容が自分に合っているかを確認できる期間となります。
つまり、試用期間は双方向の評価期間であり、お互いのミスマッチを防ぐための重要な仕組みといえるでしょう。
試用期間と研修期間の違い
試用期間と研修期間の違いは、正社員として業務をするか否かです。
試用期間が、企業で労働をする上での適性を見極める期間であるのに対して、研修期間は企業による教育期間のため、試用期間と研修期間は別物です。
試用期間は、基本的に正社員の方と同じ業務を行い、能力や適性について見極められる期間のため、試用期間特有の業務だけを行うわけではありません。
また、無断での遅刻や欠勤は上司からの信頼を失う原因になるため、就業規則は必ず守りましょう。
一方、研修期間の教育方法は企業により異なりますが、主にOJTという実務をしながら教える方法と、座学や実務を行う施設、工場、オフィスなどの見学をして教える方法の2パターンです。
似たような言葉と考える人は多いですが、試用期間と研修期間は別物なので、新入社員として就職する方は事前にチェックしておく必要があります。
試用期間中の退職に関する法律と規則を理解しよう
試用期間中の退職(正社員など無期雇用の場合)は、民法627条1項により退職日の2週間前に申し出れば、会社の承諾がなくても退職できます。
会社の就業規則に「退職の1ヶ月前までに届け出る」などの規定があっても、法律上は2週間前の申し出で退職できます。
ただし、円満退職のためには就業規則に従うことが望ましいでしょう。
なお、会社側が試用期間中の従業員を解雇する場合、試用開始から14日以内なら予告不要ですが、14日以上経過していれば30日以上前の解雇予告または解雇予告手当が必要です。
新卒の試用期間に退職する手順
新卒の試用期間中に退職する場合も、正社員と同様の手順で進める必要があります。
試用期間中の退職は、まず就業規則を確認することから始めましょう。
民法627条では退職の2週間前までに申し出ることが定められていますが、会社によっては1ヶ月前などより長い期間を設定している場合があります。
退職手順は以下のステップを確認しましょう。
- 直属の上司に退職の意思を口頭で伝える(事前にアポを取り、個室で話す)
- 退職届を提出する(会社指定の様式に従う)
- 健康保険証や社員証などの貸与品を返却する
- 業務の引き継ぎを行う
- 退職日までに必要な手続きを完了させる
退職を伝える際は、理由を簡潔に述べ、不満や悪口は避けましょう。
試用期間中であっても即日退職は原則としてできないため、円満退職を心がけることが重要です。
退職後の転職活動をスムーズに進めるためにも、会社のルールに従った丁寧な対応を心がけましょう。
また、上記で説明したとおり、上司に退職を伝える際は会社や上司などの批判は避けて、退職する旨を伝えましょう。
新卒の試用期間中に退職しようと考えている方や退職を決めた方は参考にしてください。
新卒の試用期間で退職したいと思う3つの理由
新卒の試用期間で退職したいと考える理由は多数あります。
ここでは、下記の3つの理由について紹介します。
- 入社前に聞いた話と違う業務を任される
- 人間関係が「つらい」と感じる
- 仕事内容にギャップを感じる
上記の理由について、詳しく説明するので、新卒で入社するときに試用期間がある学生は参考にしてください。
入社前に聞いた話と違う業務を任させる
試用期間中に退職したいと考える理由の1つは「入社前に聞いた話と違う業務を任されたから」です。
新卒で企業に入社する際、多くの学生は会社説明会に参加して会社の概要や仕事内容について説明を受けています。
しかし、会社説明会は限られた時間の中で行われるため、仕事内容を詳しく説明するわけではありません。
そのため、自分自身が考えていた仕事内容と違う場合があり、退職したい原因となります。
「入社前に聞いた話と違う業務を任された」という理由で退職したい方は、下記の例文を参考にしてください。
先輩方に1つ1つ教えて頂き大変お世話になりましたが、よく考えた結果、退職したいと考えています。 自分が勝手にイメージした業務と、実際の業務が異なり、誠に勝手ながら自分に合っていないと感じました。 試用期間中の立場での判断となり心苦しいのですが、退職を申し出るタイミングは早い方が良いと思い、お伝えいたしました。 |
退職を申し出る際は会社の批判をするのはNGです。
「自分が勝手にイメージした」と伝え、会社に対する印象を悪くしないようにしましょう。
人間関係が「つらい」と感じる
お世話になっている上司や同じタイミングで入社した同期と、人間関係がうまくいかないと感じる方も少なくありません。
厚生労働省が発表している、令和3年雇用動向調査結果の概況で、前職をやめた理由は男性では「その他の個人的理由」を除くと「定年・契約期間の満了」が16.5%で最も多く、次いで「職場の人間関係が好ましくなかった」が8.1%と二番目に多くなっています。また、女性も「職場の人間関係が好ましくなかった」が9.6%と3番目に多い理由となっています。(参照元:厚生労働省 )
上記のように人間関係を理由に退職する方は多いので、日々ストレスを感じたりする恐れがある場合、我慢を続けるのは避けて早期に伝えると良いでしょう。
例文は下記の通りです。
お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。 突然の報告となり申し訳ありませんが、よく考えた結果、退職したいと考えています。 人間関係に悩んでおり、馴染めるよう努力してきたのですが、日々のストレスを感じる中での勤務に限界を感じ、退職したい 考えに至りました。 試用期間中での報告となり、申し訳ございません。 |
円満退職のためにも、個人の批判は避けて、自分自身の問題であると伝えるようにしましょう。
仕事内容にギャップを感じる
「仕事内容にギャップを感じたから」という退職理由の方も多い傾向にあります。自分自身がイメージした仕事内容とのギャップがあると、ストレスの原因になり、合わないと感じて試用期間中での退職に繋がるからです。
たとえば、小売業という職種の一般的な業務は、レジ・補充・商品説明などの接客ですが、会社によっては、メーカーの仕事である商品開発を行う企業もあります。
このように会社によって違う職種も兼任する場合があり、仕事内容にギャップを感じるのであれば、退職を検討するといいでしょう。
例文は下記の通りです。
自分自身が入社前に勝手にイメージした仕事内容と実際の業務が異なり、ギャップを感じています。 ギャップを感じながら仕事をしているため、クオリティが低くなっていると判断したため、よく考えた結果、退職という結論に至りました。試用期間中の立場でありながら、このようなお話をして申し訳ございません。 |
退職を伝える際、仕事の不満を言うのは避けましょう。
あくまでも「仕事内容に合わせられなかった自分の責任」と伝える必要があります。
新卒の試用期間に退職する5つのメリット
新卒の試用期間中に退職するメリットについて3つ紹介します。
- 第二新卒扱いになる
- ストレスから解放される
- 時間を有効に使える
- 雇用保険未加入なら履歴書に書かなくても良い
- 情がわく前に辞められる
それぞれについて下記で詳しく説明するので、新卒の試用期間中に退職しようか悩んでいる方は参考にしてください。
第二新卒扱いになる
新卒の試用期間中に退職した人は第二新卒扱いになります。
第二新卒は新卒で入社後3年以内に退職した方を意味し、第二新卒の期間は限られているため、第二新卒枠に応募できるのは大きなメリットです。
また、第二新卒は「将来性がある」「柔軟性が高い」などの理由から転職市場で一定のニーズがあります。
ただし、第二新卒の面接で求められるスキルや行動は新卒の面接と同じではありません。
たとえば、企業側からすると、一度社会人を経験しているので基本的なビジネスマナーが備わっている人であると考えるため、基本的なビジネスマナーは必須の知識です。
また、第二新卒の面接では自己分析や企業研究を徹底して行う必要があります。
エージェントや転職サイトを活用して、第二新卒枠の求人を多く見つけ、応募できる企業を増やすと良いでしょう。
ストレスから解放される
試用期間中に退職すると、現在感じているストレスから解放されるメリットがあります。
ストレスの原因は、業務や人間関係などの様々で、ストレスを感じながらの業務は、生産性が低くなり、身体にも不調をきたす原因です。
厚生労働省の調査によると、仕事や職業生活に関する内容で強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、令和2年が54.2%で半数を超えています。
また「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる」とした労働者のうち、その内容は、仕事の量や質が56.7%と最も多く、2番目が仕事の失敗、責任の発生等で35.0%で、対人関係が27.0%となっています。(参照元:厚生労働省)
厚生労働省が発表している調査結果からしても、ストレスから解放されるというのは、メリットです。
さらに、ストレスを抱えて過ごすと精神的に疲れを感じやすくなるため、体調を崩す前に退職も考えてみると良いでしょう。
雇用保険未加入なら履歴書に書かなくても良い
試用期間中に退職した場合でも、雇用保険に未加入であれば履歴書に記載しなくても問題ないケースがあります。
雇用保険に未加入の場合、雇用保険被保険者証などに職歴が残らないため、履歴書に記載しなくても転職先企業が把握できません。
これにより、転職の面接で退職理由を説明する必要がなくなり、短期間の就業経験によるマイナスイメージを避けられます。
ただし、この方法が適用できるのは、入社から退職までの期間が短く、雇用保険加入手続きが完了していない場合に限ります。
雇用保険は原則として入社月の翌月10日までに加入手続きをすることになっているため、それ以前に退職した場合に該当します。
しかし、雇用保険未加入でも履歴書に書かないことには注意が必要です。
入社手続きで発覚する可能性があり、職歴詐称とみなされるリスクもあるため注意しましょう。
情がわく前に辞められる
試用期間中は職場の人間関係がまだ浅く、長期間勤務した場合に生じる感情的な繋がりがありません。
長く働くほど同僚や上司、取引先との関係が深まり、「自分が辞めると職場の人が困る」「取引先の方と会えなくなる」といった感情が生まれ、退職の決断が難しくなります。
また、職場環境に慣れてくると居心地の良さから転職活動自体が面倒に感じられ、転職サイトへの登録や企業訪問などの行動を起こしにくくなることもあります。
試用期間中の退職は、人間関係や職場への愛着が強くなる前のタイミングであるため、後ろめたさを感じることなく、より冷静な判断で自分のキャリアを見つめ直すことができるでしょう。
情がわく前に決断することで、精神的な負担を軽減しながら転職へ進めるのです。
時間を有効に使える
新卒の試用期間中に退職すると、当然ですが、これまで業務をしていた時間も使えるようになります。ただし、時間の使い方次第ではメリットではありません。
時間を多く確保できる分、自己管理が必要となり、目標を持って取り組まなければなりません。
また、新卒の試用期間中は、比較的残業が少ないので時間を有効に使えます。
そのため、自己管理が難しい方は退職までに転職活動に必要な知識やスキルを向上させるという方法を取ると良いでしょう。
しかし、目標を持って行動しなければ、退職しようと考えながら現在の仕事を続けても、スキルを効率よく身につけるのは難しくなります。
新卒の試用期間中に退職する方や退職を考えている方は、目標を持って取り組む必要があるでしょう。
第二新卒枠に応募する方は参考にしてください。
新卒の試用期間に退職する5つのデメリット
新卒の試用期間中に退職するのはメリットだけではありません。
ここでは、新卒の試用期間中に退職する5つのデメリットについて紹介します。
- 安定した収入が無くなる
- 転職が不利になる場合がある。
- ストレス耐性が無くなる
- 人間関係の構築を一から作る必要がある
- 退職まで気まずい期間がある
新卒の試用期間中に退職を考えている方や退職をする方は参考にしてください。
安定した収入が無くなる
試用期間中に退職をしてしまうと、収入が途絶えてしまうというデメリットがあります。
新卒に限らず、会社に勤めているすべての人に言えるのですが、退職をすると安定した収入が無くなります。
安定した収入が無くなると「早く就職しなければ貯金が尽きる」と思い、よく考える時間を取らずに、転職先を決めてしまいます。
そのため、退職してから転職先をしっかり考えられる程の貯金があると、ミスマッチを防げ、転職を成功する確率が上がるでしょう。
また、貯金を十分に貯められない方は、退職する前に転職先を検討し、準備を整えてから退職するのがおすすめです。
新卒の試用期間中に退職をして、ストレスから解放されても、退職後の計画を立てないと、ストレスを感じてしまう原因になるため注意してください。
転職が不利になる場合がある
新卒の試用期間中に退職をすると、転職が不利になる場合があります。
「第二新卒でも勤務経験が1年は欲しい」と考える企業や「入社してもすぐに辞めてしまうのではないか」と考える企業もあるからです。
また、試用期間だけでの退職であっても、雇用保険に加入した時点で、その会社で働いた履歴が残ります。
退職履歴があると悪い印象を感じる人もいるので、転職が不利になる可能性が考えられるでしょう。
ただし、印象を悪くしないように経歴を書かずに転職して、その後に発覚すると経歴詐称に該当する場合もあるため、必ず書く必要があります。
内定取り消しや懲戒解雇などのリスクがあるので、経歴詐称は絶対にしないようにしましょう。
上記の理由のように、様々な観点から転職が不利になる場合があり、デメリットとなります。
ストレス耐性が無くなる
デメリットの1つとして、仕事や人間関係についてのストレス耐性がないと判断される場合もあります。
企業側からすると「仕事や人間関係でストレスを感じるような出来事があると、またすぐに辞めてしまうのではないか」と思うようです。
また、新卒の試用期間中に退職をすると、自分自身のストレス耐性が無くなる可能性も考えられます。
ストレス耐性が無くなると、少しのストレスであっても疲れやすくなり、1つの企業に長く勤めるのが困難です。
新卒の試用期間中に退職しようと考えた人は、これからの行動を検討して自分にとってプラスになるようにしましょう。
人間関係の構築を一から作る必要がある
試用期間中に退職すると、新しい職場で人間関係を一から構築し直す必要があります。
転職先では新卒時と異なり「同期」がいないケースが多く、孤独を感じることもあるでしょう。
また、新しい環境では職場のルールや文化に適応しながら人間関係を築かなければなりません。
特に転職後は、前職での常識が通用しないこともあります。
「前職ではこうだった」という発言は最大のNGワードとされ、マイナスの印象を与えかねません。
このように試用期間中の退職は、新たな環境での人間関係構築という大きな課題を再び背負うことになります。
退職まで気まずい期間がある
試用期間中に退職を申し出ると、退職日までの約2週間は気まずい期間かもしれません。
退職意思を伝えた後、周囲からは「根性がない」「甘えている」といった目で見られることも。
特に退職理由が「人間関係」や「業務内容のミスマッチ」である場合、退職までの期間は居心地が悪くなりがちです。
上司からの引き留めや説得を受けることもあるでしょう。
しかし、退職日を過ぎれば解放されるので、短期間の辛抱だと考えましょう。
気まずさを最小限に抑えるためには、退職理由をポジティブな表現に言い換えることも効果的です。
新卒の試用期間中に退職をするときに意識すべきの注意点
試用期間中の退職を決意したものの、実際にどう行動すればいいのか不安を感じる人もいるかもしれません。
新卒として初めての退職は、手続きや伝え方に悩むことが多いものです。
ここでは、試用期間中に退職する際の注意点を解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
退職理由を明確にする
退職を伝える際は、退職理由を明確にしましょう。
退職を直属の上司に伝える際、退職理由は必ず聞かれます。
「自分が勝手に想像していた業務と異なり、改善しようと努力したのですが合わせられなかった」というように明確に伝え、会社や他の従業員の批判をするのは避けましょう。
退職理由については、転職活動をする際にも必要となるので、明確に表現できると良いでしょう。
また、印象が悪くならないような言葉選びをするとポジティブに伝えられます。
就業規則を守る
新卒の試用期間中に退職をする場合も正社員の退職と変わらないため、就業規則を守る必要があります。
退職を決めたら、就業規則をよく読みルールを遵守して、円満退職をできるようにしましょう。
多くの企業が、1ヶ月前までに退職願を提出するよう就業規則に書いています。
流れとしては、直属の上司に口頭で退職の意思を伝え、退職願を提出して、引継ぎをするようになっています。この流れはあくまでも一般的なので、就業規則の通りに行いましょう。
失礼な態度にならないようにする
退職をする際の前提条件は円満退職です。
印象は言葉遣いや態度次第で良くも悪くもなります。
仮に人間関係が上手くいかないという理由で退職する場合も、慎重に言葉を選び、円満退職できるよう努力する必要があります。
社会人として成長するためにも、失礼な態度をとらないようにして、自己成長に繋げましょう。新卒の試用期間中に退職をする方は参考にしてください。
新卒の試用期間で退職した次の進路先
新卒の試用期間中に退職した場合に次の進路先はどのような方法があるかについては下記のとおりです。
- フリーターとして活動する
- 起業する
- 転職する
それぞれについて下記で詳しく説明するので、新卒の試用期間中に退職しようか悩んでいる方や退職を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
フリーターとして活動する
新卒の試用期間中に退職した後、フリーターとして活動するという手段があります。
フリーターとは、正社員・正職員以外の就労雇用形態を意味し、具体的には、パートタイマーやアルバイト、契約社員、派遣社員が該当します。
フリーターになると、勤務日と勤務時間が決まっている正社員とは異なり、比較的自由にシフトの希望を出せる場合が多いため、自分で予定を決められるメリットがあります。
ただし、フリーターは雇用期間が定められているため、企業側の都合で契約更新が行われないリスクがあります。
また、フリーターは収入が少ない場合が多く、結婚したり子供を育てるのは難しいというデメリットも考えられるでしょう。
さらに、住宅ローンを組む際や金融関係の審査などで不利になる場合もあります。
子供を育てたい、結婚したいなどの具体的なライフプランがある方は正社員として働くのをおすすめします。
起業する
新卒の試用期間中に退職した後の進路先として起業という手段もあります。
起業とは「新しい事業を始めること」を意味し、会社の設立をして事業を立ち上げた時点で成り立ちます。
起業をすると、自分のやりたい事業に挑戦でき、高い収入を得られる可能性があるなどがメリットです。
一方「収入が不安定で事業に失敗するリスクがある」「一から信用を築く必要がある」などのデメリットも考えられます。
また、起業した場合、会社に勤めている方とは異なり、定年がなく全て自己責任になります。
なので、具体的にやりたい事業プランや必要な準備ができ、高度な知識や向上心、行動力のある方は向いているでしょう。
転職する
新卒の試用期間中に退職した人の多くは転職という手段を選ぶでしょう。
転職しようとした際、企業と自分自身のミスマッチを防ぐためにも、自分の適性に合った仕事を知るところから始めてください。
自分に合った仕事を見つけるためには、自己分析をして自分の性格や特徴を把握する必要があります。
また、転職する方法がわからない人は、転職エージェントを利用して、第二新卒枠の応募をしている企業について把握するのもいいでしょう。
さらに、新卒の試用期間中に退職した方が、いきなり中途採用に応募するのはハードルが高いので、第二新卒枠がある企業に応募するのがおすすめです。
上記の注意点に気を付けながら、新卒の試用期間中に退職した方は、ぜひ参考にしてください。
転職活動をスムーズに進めるポイント
「短期間で退職したことがマイナスになるのでは」「どうやって効率的に転職活動を進めればいいのか」といった悩みは当然のことです。
ここでは、新卒で試用期間中に退職した方が次の就職先をスムーズに見つけるためのポイントを解説します。
転職活動の計画の立て方から第二新卒向け求人の探し方、面接での説明方法、さらには転職エージェントの活用法まで、参考にしてみてください。
転職活動のスケジュールを立てておく
試用期間中に退職を決めたら、次の転職活動を効率的に進めるためにスケジュールを立てておきましょう。
転職活動は平均3〜5ヶ月程度かかるため、計画的に進めなければ長期化し、モチベーション低下につながります。
効果的なスケジュールを立てるには「逆算方式」がおすすめです。
まず転職完了の目標時期(ゴール)を設定し、そこから逆算して各ステップの期限を決めていきます。
③応募書類作成・応募:約2週間
④面接:4〜5週間
⑤内定・退職・入社手続き:1〜3ヶ月
という流れになります。
スケジュールを可視化することで「今日何をすべきか」が明確になり、作業の漏れを防げるだけでなく、転職への現実感が増してモチベーションも維持しやすくなります。
特に第二新卒として転職する場合は、自分の市場価値を高める準備期間も考慮したスケジュールを立てましょう。
第二新卒枠の求人をリストアップする
第二新卒とは「学校卒業後3年以内の者」と定義されることが多く、企業は若さや柔軟性、成長ポテンシャルを期待して採用します。
第二新卒向け求人を探す効果的な方法としては、以下の4つがあります。
まず、転職サイトを利用する方法です。
業界・職種・勤務地・年収などの条件で絞り込み、「第二新卒歓迎」の求人を検索できます。
複数のサイトを併用すれば選択肢が広がります。
次に、転職エージェントの活用です。
非公開求人の紹介や書類添削、面接対策など専門的なサポートが受けられます。
スカウト型転職サイトも効果的で、企業からのアプローチを待つことができます。
また、知人からの紹介も入社後のミスマッチを防ぎやすい方法です。
第二新卒の転職に適した時期は1〜3月と7〜8月で、この時期に合わせて求人をリストアップすると良いでしょう。
面接対策をしっかりしておく
面接対策で大切なのは、短期退職の理由を論理的に説明できるかどうかにあります。
PREP法(Point-Reason-Example-Point)を活用し、退職理由を「結論→理由→具体例→再結論」の流れで整理しておきましょう。
特に「なぜ短期間で退職したのか」という質問には、ネガティブな表現を避け、キャリアビジョンや成長意欲を軸にポジティブな回答を準備することが重要です。
対策としては、想定質問への回答を事前に用意し、録音して話し方を確認する練習が効果的です。
また、面接では結論から話す、質問に的確に答える、明るい表情で目を見て話すといった基本姿勢も重要です。
面接対策をしっかり行うことで、短期退職というマイナス要素をキャリア構築への前向きな一歩として伝えられ、次の就職先での活躍をアピールできるようになります。
転職エージェントを活用する
試用期間中に退職した後の転職活動では、転職エージェントの活用もおすすめです。
転職エージェントを利用する最大のメリットは、プロのサポートを無料で受けられることです。
特に第二新卒向けの求人に強いエージェントを選ぶことで、短期退職というハンデを最小限に抑えられます。
エージェントは非公開求人の紹介や企業の内部情報提供、応募書類の添削、面接対策まで幅広くサポートしてくれます。
転職エージェントに紹介された求人には必ず目を通し、感想をフィードバックしましょう。
また、面接後の企業の印象も正直に伝えることで、より自分に合った求人を紹介してもらえます。
転職エージェントとの信頼関係を構築することで、短期間での退職というマイナス要素を乗り越え、次のキャリアへのスムーズな移行が可能になります。
短期間での退職は転職が不利になる可能性も
短期離職者は「すぐに辞めてしまう人」というレッテルを貼られ、企業の採用担当者から信頼を得にくくなる可能性もあります。
企業は採用活動や研修に多大なコストをかけているため、短期間で退職する可能性がある人材を避ける傾向があるのです。
また、1年未満の勤務では十分なスキルや経験を積めていないと判断され、「即戦力」を求める中途採用市場では評価が低くなりがちです。
特に同じ業界への転職を希望する場合、実務経験の浅さがハンデとなります。
短期離職のデメリットを軽減するには、退職理由を論理的に説明できるよう準備し、転職エージェントを活用することが効果的です。
また、現職でできる限り成果を出し、次の転職活動でアピールポイントを作ることも重要です。
安易な短期離職は「転職グセ」につながる恐れもあるため、慎重な判断が必要です。
新卒の試用期間で退職した後の行動が大事!
この記事で説明したとおり、新卒の試用期間で退職する場合、その後の行動が重要です。
何も準備をしないで退職した人と、退職後の行動予定を立てて退職した人では大きな違いがあります。
退職後は焦らず、まず自分自身と向き合う時間を持ちましょう。
なぜ前職が合わなかったのか、どんな環境や仕事内容が自分に合っているのかを冷静に分析することが、次の失敗を防ぐきっかけとなります。
自己分析なしに次の就職先を決めると、同じ問題に直面する可能性が高くなるので注意が必要です。
この経験を糧に、自分らしいキャリアを築いていきましょう。
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