ガクチカ深掘りで聞かれる質問とは?ガクチカが聞かれる理由や対策方法を徹底解説
これから就職活動を迎える学生にとって、面接でどんなことを聞かれるのかということは対策しておきたい項目のひとつですよね。
就職活動は、長い時間をかけて行われるものではなく、おおよそ数回の面接で自分の良し悪しを判断されてしまいます。
一期一会でもある就職活動の面接を、より納得いくものにするためにも、事前の準備は必須になってきます。
今回は、就活のガクチカの質問でよく聞かれやすいことを紹介しますので、事前に対策を練っておくようにしましょう。
【ガクチカの深掘りで聞かれる質問】企業がガクチカを聞く理由
そもそも「ガクチカ」とはいったいどんなもので、なぜ企業は面接時に学生にガクチカを聞くのでしょうか。
ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」の略です。
4年間という学生生活は、一見短いように感じますが、忙しい社会人からすれば非常に贅沢な時間です。
そんな貴重な4年間の間、いったいどのようなことに力を入れていたのかを聞くことで、企業は学生のさまざまなことを推測しようとしています。
もちろん、4年間の間に力を入れてきたことだけがその学生のすべてではありませんが、学生の人間性や価値観を判断するための1つの基準としてガクチカを聞いていることがほとんどです。
価値観を知るため
企業が学生にガクチカを聞く理由の1つ目は、どのような経験をしてきたかによってその学生が持つ行動の傾向や考え方といった、いわゆる「価値観」を探ろうとしているということです。
世の中にはいろいろな考え方を持った人がいますが、その考え方や価値観に優劣は存在しません。
しかし、あまりにも考え方が違う人同士、価値観が違う人同士では、同じことをするにあたってスムーズにいかないということが多々起こります。
それは企業に入ってからも同じで、どれだけ優秀な経歴を持っていたとしても、自社の理念や価値観・企業風土に合わない学生を採用することは、企業にとっても学生にとってもデメリットが生じてしまうのです。
そういった入社後のミスマッチを防ぐためにも、企業は面接でガクチカを聞き、その学生の人となりを判断しているのです。
能力を見るため
企業が学生にガクチカを聞く2つ目の理由は、ガクチカのエピソードから学生のもつ「能力や強みを把握したい」というものです。
先ほども説明しましたが、企業は比較的短いスパンで多くの学生を見る必要があり、これらは非常に大変な作業になります。
その限られた時間の中で、いかに自社の求める人物像とマッチする能力や人柄の学生を選び出すことができるのかというのは、とても重要なポイントになります。
本当は一人ひとりとゆっくり話をして判断したいところですが、そういうわけにもいきません。
ですから、学生自身にガクチカを聞くことで、その学生の持つ能力や強みを発掘しようとしているのです。
そういった企業側の意図を踏まえて自身のガクチカを準備すれば、内定の可能性がよりアップするようになるでしょう。
【ガクチカの深掘りで聞かれる質問】ガクチカの深掘りでよく聞かれる質問
「ガクチカは何ですか?」というシンプルな質問の中には、学生が持つさまざまな要素が隠れています。
学生を判断する非常に重要な要素になりますので、企業としてはその質問をできるだけ詳しく深掘りして聞きたいと考えています。
ここからは、実際の面接でガクチカを話した際に「どのようなことを深掘りされるのか」について見ていきましょう。
想定される質問をいくつか列挙しますので、自分自身にあてはめながら読み進めてみてください。
それを始めたきっかけは何ですか?
必ず聞かれるといっても過言ではないのが「きっかけ」です。
「気がついたらその行動をしていた」ということもあるかもしれませんが、何事も始めるときには何かしらの理由があるはずです。
それを始めるきっかけとなった理由を聞くことによって、その学生がどこにモチベーションを感じているのか、仮に自社で採用した場合にどれくらい活躍できそうかということを判断します。
ガクチカとなる出来事や経験を最初に始めようと思ったときのことや、周りにいた人にどのような声をかけられたのかといったことを詳細に思い出してみてください。
また、このきっかけを探すことは、自分自身がどんなことにモチベーションを感じるのかといった自己分析にもつながります。
その経験で最も難しかったことは何ですか?
ガクチカでは、ポジティブなポイントばかり深掘りされるとは限りません。
失敗や挫折などのネガティブなことが起こったときに、どのような行動を起こしたかというポイントも見られています。
特に、最も大変だったことを聞くのは、そのようなトラブルに直面した際、逃げ出さずに対処できたかどうかという点を知りたいからです。
逃げ出したくなる気持ちはわかりますが、そういったマインドでは社会人として成果を出し続けることは難しいでしょう。
そういった困難にも向き合うことができる人材なのかどうかを、この質問から見られているのです。
ガクチカの経験を通じて最も困難だったことは何だったのかをよく思い出し、それを端的にまとめて伝えましょう。
それをどのように乗り越えましたか?
1つ前の項目で「最も困難だったことはどのようなことか?という質問をされる」と説明しましたが、その次に決まって聞かれるのが「それをどのように乗り越えましたか?」という質問です。
これは、主に困難な状況やつらい状況に陥った際、どのような行動を取っていたのかを知るために聞かれます。
学生が自社に入社した後、同様の状況に陥った際に耐え抜く忍耐力があるのかどうかがわかります。
過去の経験や行動から未来の行動を予測することは、企業の面接だけでなくさまざまな面接や面談で使われる主要な手法のひとつです。
なお、この質問の回答として、「困難から目を背けた」というようなネガティブな行動は評価されにくいので、なるべくポジティブな行動について述べるようにしてください。
自分の強み・弱みが発揮された点はどこですか?
ガクチカの経験を通じて、自分自身が感じた「自身の強みと弱み」はどんなことか、またそれらが実際に発揮されたのはどのようなときだったのかも聞かれやすい質問のひとつです。
このエピソードを聞くことで、「自己分析ができているかどうか」がわかります。
どんな人にも強みと弱みはあるものですが、特に力を入れていることであれば、それらは顕著に行動となって現れやすいと言えるでしょう。
また、場合によっては「熱中するあまり周りが見えなくなってしまう」というパターンも考えられます。
このような場合、いかに自分を冷静に客観的に見られているのかという点をチェックされるので、より綿密な自己分析が必要になります。
もちろん、自分だけではわからないポイントもあることでしょう。
もし一緒に活動をしていた人がいるなら、自分の行動について客観的なアドバイスをもらうようにしてください。
そのときに戻れるならば、どのような行動を取りますか?
一見不思議な質問に感じますが、この質問からは、「過去を冷静に振り返ってそこから改善策を見つけられるかどうか」ということが見られています。
「もっと○○したら失敗しなかったはずだ」と思うことは、誰しも1つや2つはあるものです。
それらを「過去のことだ」とそのままにするのではなく、前向きに未来を良くしていくための原動力に変えられるかどうかというのは、変化の激しい令和の時代で重宝される能力のひとつです。
過去に自分が失敗したことを今一度思い出して、「今の自分ならどのような行動を取るのか?」ということを冷静に考えてみましょう。
このとき、「なぜ失敗したのか?」ということを明確にして、的確な解決策を導き出すのがポイントです。
その経験が入社後に活かすことができる点はどこですか?
「その経験を入社後に活かせるか?」という質問もよくなされるので、これに対する回答も用意しておく必要があります。
多くの面接官は、学生の回答に対してさまざまな深掘りをしますが、ただ学生のエピソードを聞きたくて質問をしているのではありません。
「ガクチカの経験が入社後にどのように活かせるのか」といった点を重視しており、なるべく生産的で未来志向の回答を望んでいます。
単なる思い出話をする時間ではありませんので、その企業で自分がどれだけ活躍できる人物であるかをアピールしてください。
自分の過去の経験や自分の強みなどを企業の事業内容などに落とし込み、具体的に入社後にどのような活躍ができる人物なのか、解像度を高めた話ができると良いでしょう。
【ガクチカの深掘りで聞かれる質問】ガクチカの質問回答で意識するべきこと
ここからは、実際にガクチカを面接で質問された際の答え方について、意識すべきポイントをいくつかご紹介します。
あらかじめ質問の回答を準備しておくのは大切ですが、あまりにも準備をしてきている感が出てしまうと不自然な会話になってしまうおそれがあります。
面接は、面接官と自分が対話できる貴重な機会です。
あらかじめ準備してきたものを披露するだけではなく、目の前にいる面接官と対話しているという意識を持って面接に臨みましょう。
話に抑揚をつける
1つ目のポイントは、「話に抑揚をつける」ということです。
たとえば、普段友人と会話しているときは、その場その場で思ったことを自然に話すので、話に抑揚がつきます。
しかし面接の場合、「事前に準備をしてきたことを出し切ろう」という気持ちが強くなりすぎて、暗記をしてきたことを述べるだけの平坦な発言になりがちです。
ましてや、いつもより緊張しているはずなので、練習通りに話そうと意識してもなかなか思うようにいかないこともあります。
抑揚がないと、話の区切りがわかりにくくなり、話がまとまらなくなってしまいます。
その結果、せっかく良いことを言っていても面接官に伝わらなくなってしまうため、注意が必要です。
面接官は、決してあなたを落とそうと思っていろいろ聞いてくるのではありません。
「あなたをよく知りたくて質問している」ということを忘れずに面接に臨みましょう。
話す時間に気を配る
意識すべきポイントの2つ目は「話す時間」です。
「自分のことをしっかり知ってほしい!」という気持ちが強まり、ダラダラと長く喋り続けてしまうことはよくあることです。
しかし、自分のことばかり話している人とずっと一緒にいると、次第に聞く気が失せてしまうでしょう。
面接でも同じで、ダラダラ話していると面接官も途中で飽きてきてしまいます。
面接は面接官と学生の対話が重要であり、言葉のキャッチボールをしているということを忘れてはいけません。
会話のテンポが悪くなることを避けるためにも、長くても1回につき1分30秒くらいを意識して答えるようにしましょう。
端的にまとめて話すことができれば、面接官に与える印象が非常に良くなりますのでぜひ意識してみてください。
相手の目を見て話す
最後に意識すべきポイントは、「相手の目を見てしっかり話す」ということです。
これは当たり前のことのように感じてしまいますが、人見知りな人にとっては非常に難しいことです。
しかし、相手の目を見てしっかり話をすることで、熱意ややる気が伝わりやすくなります。
「面接官の話を聞きたい」「自分の熱意をアピールしたい」という気持ちは、目線からしっかりと面接官に伝わります。
また、アイコンタクトを取ることは、入社後のコミュニケーションの中でも当たり前に求められる能力でもありますので、そういった側面から判断されることも珍しくありません。
アイコンタクト以外にも、頷きなどの動作は「相手の話をしっかりと聞いている」ということを伝える有効な手段なので、積極的に取り入れましょう。
【ガクチカの深掘りで聞かれる質問】ガクチカの質問回答で使えるPREP法
次に紹介するのは、ガクチカの深掘りでよく聞かれやすい質問の回答に使えるPREP法というものです。
PREPとは「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(例)」「Point(結論)」の略で、文章を作成するときや口頭で何かを説明する際に使われる手法です。
「結論」→「理由」→「例」→「結論」の順番に沿って物事を話すと、簡潔にわかりやすく相手に伝えることができるようになります。
どのような質問に対する回答でも、この一連の流れを意識できていれば、相手に伝わりやすい回答を即座に組み立てることができるようになります。
予測していなかった質問に対しても臨機応変に対応できるようになるので、意識して取り組みましょう。
Point(結論)
最初に必要なのは、話の結論を簡潔に述べることです。
冒頭に結論を持ってくることにより、話を聞いてもらう相手に「話の大枠」を伝えることができます。
一方、最初に話の結論を持ってこないと、「この人はいったい何の話をしているのだろう?」という印象を持ってしまうおそれがあります。
このような印象を持たれてしまうと、最も大事なところに耳を傾けてもらえなくなってしまうでしょう。
そもそも、話の意図が伝わらない可能性がありますので、まずは簡潔に結論を伝えましょう。
このとき意識するのは、「ダラダラと話さない」ということです。
PREP法を用いるときも、できれば質問の回答を1分30秒以内に納めた方が良いので、要点だけを絞って伝えるようにしましょう。
Reason(理由)
次に話すのは、最初に説明した結論に至った「理由」です。
どのような行動にも、それに伴う理由が1つくらいはあるからです。
この理由に関しては、1つでなければならないという決まりはなく、理由が複数あっても特に問題はありません。
しかし、先ほども述べたように、「間延びしないように話す」という意識は忘れないでください。
たとえば理由が2つある場合、最初に「○○になった理由は2つあります」という一言を付け加えるだけで一気に話が聞きやすくなります。
限られた時間の中でわかりやすく相手に話を伝えるために、意識すべきポイントを忘れずに話しましょう。
もし詳細に話せなかったとしても、要点さえ相手に伝わっていれば、深掘りの質問の際に自分が聞いてほしいことを質問してもらうことができます。
わかりやすく端的な理由を述べるよう、意識して話すようにしてください。
Example(例)
結論と理由を話したら、そこから具体的なイメージを膨らませられるように「具体例」を挙げましょう。
具体例とは、実際に自分が体験した経験のエピソードのことです。
ここで注意しなければならないのは「思い出語りにならないようにする」ということです。
「あれもこれも詳細に伝えたい」と長々と話してしまったら、面接官は聞く耳を持たなくなるでしょう。
あくまで「具体例の紹介」としてのエピソードトークであることを忘れてはいけません。
数あるエピソードの中で、最も自分が伝えたい部分をあらかじめ抽出しておき、「ここなら最も伝わる」という部分をまとめておくと良いでしょう。
また、深掘り質問でよくされるものとしては、「それ以外にも何かエピソードがありますか?」という質問です。
「1つしか準備していなくて答えられなかった」ということのないよう、2つか3つほど話のネタを準備しておくようにしましょう。
Point(結論)
一連の流れを話し終えたら、最後にもう一度「結論」を話しましょう。
これにより、面接官は「この学生は何を伝えたかったのか」ということを最後に再確認することができます。
ここで重要なのは、「冒頭に話したことと一語一句同じにしない」ということです。
たしかに話していることは同じかもしれませんが、冒頭に話した結論は「これから話すことを知ってもらう」ためのフックになります。
一方、最後に話す結論は「○○が最も伝えたかったことだ」ということを最後に強調するという意味合いが含まれています。
また、「これで話が終わりである」ということを相手に示すための締めとしての役割を果たすので、自分なりに工夫してまとめの表現を考えるようにしてください。
【ガクチカの深掘りで聞かれる質問】ガクチカ深掘りへの対策方法
ここまでガクチカの質問で想定される深掘りの質問への対策方法をいくつかご紹介してきましたが、理論はわかっていてもいざ実戦となると頭が真っ白になってしまうことも少なくありません。
そうならないためにも、「実践」の準備も念入りに行いましょう。
やればやるだけ自分の自信につながりますので、時間を惜しまずに準備を行いましょう。
また、1人で黙々と準備をすることも大切ですが、誰かに練習相手になってもらい、模擬面接をしておくのもおすすめです。
想定される質問の答えを準備する
1つ目の準備は、「想定される質問の回答を用意しておく」というものです。
ガクチカのみならず、企業の面接で聞かれやすいことは、インターネットで調べたらすぐに出てきます。
また、過去に同じ企業で面接をしたことのある先輩に聞けば、より鮮度の良い情報を仕入れることも可能です。
どんなことを聞かれやすいのかあらかじめ調べておき、質問に対する自分の中での模範解答を準備しておきましょう。
ただし、面接では一語一句まったく同じ質問をされるということは稀ですし、あなたがどう答えるかによって質問の種類も変わってくるでしょう。
そのため、状況に応じて別の質問もされるという前提で臨むことが大切です。
準備をすることで安心できるという側面もあるでしょうから、自分に自信をつける意味でも予習は大切です。
壁打ち練習をする
2つ目の実戦練習としておすすめなのが、「壁打ち練習をする」ということです。
相手は誰でも構いませんが、気の知れていて何でも言ってくれる友人や、すでに面接を経験してきた社会人の先輩、OBの社員などが望ましいでしょう。
相手に面接官の役を担ってもらい、実践に近い質疑応答を行います。
その面接の回答を経て、自分の回答はどうだったか、どこがわかりにくかったかなどのフィードバックをもらいましょう。
これは、同じ人に何度も見てもらうことが重要ですが、これでは1人の意見に偏ってしまうので、複数の人に見てもらうことも検討してみてください。
自分では把握しづらいポイントが見えてくるので、なるべく実践することをおすすめします。
自分の声を録音する
「自分の声を録音する」という方法もおすすめです。
自分の話している声は、普段なかなか聞くことができないので、どんな速さで話しているか、どんな抑揚で話しているかはわかりにくいものです。
自分ではゆっくりと丁寧に話しているつもりでも、案外焦っているように聞こえたり、早口に聞こえたりしてしまうこともあります。
少し恥ずかしいかもしれませんが、自分が面接の受け答えの練習をしている様子を録音して、ゆっくり後で振り返ってみましょう。
録音したからこそわかる改善点が見えてくるかもしれません。
「フィードバックをしたら再度録音する」ということを繰り返せば、納得のいく話し方や相手に聞きやすいトーンなどが掴めてくるはずです。
おわりに
慣れない就職活動は、「右も左もわからないままただ突っ走るしかない」という状況になりがちです。
しかし、何の対策もなしに面接に臨んでしまうと、失敗のリスクが高まるので注意しましょう。
自分の良さを面接できちんと見てもらえるよう、しっかりと対策をして自信を持って面接に臨むことが大切です。
一度しかない貴重な面接で最大限の力を発揮できるよう、困ったときには周囲の友人や先輩の力を借り、志望する企業の面接に臨むようにしてください。
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