【転職】面接時の質問で性格を聞かれた時の対処法は?

【転職】面接時の質問で性格を聞かれた時の対処法は?

目次
  1. はじめに
  2. 【転職】面接時の質問で性格を聞かれた時の対処法
  3. 性格を聞かれる理由(面接官の意図)
  4. 面接で性格を聞かれた時の答え方
  5. 業界・業種ごとに求められる性格
  6. 面接で性格を聞かれた時の注意点
  7. まとめ

はじめに

転職面接では、性格を聞かれることがあります。特に経験のない異業種へ転職する場合は、性格に関する回答が大きなアピールポイントです。それでは性格を聞かれた場合、どのように答えればよいのでしょうか。

本記事では、転職面接の質問で性格を聞かれた時の対処法や注意点、面接官の意図を解説します。「面接に応募したばかりの方」「自身の性格をうまく伝える自信のない方」は、この機会に面接に有効な性格の答え方を覚えておきましょう。

【転職】面接時の質問で性格を聞かれた時の対処法

転職面接では「ご自身の性格を教えてください」「自身の長所は何だと思いますか」など、性格について聞かれることがあります。

「まじめな性格です」だけで終わらせてしまってはいけません。内容を膨らませて自分をアピールする必要があります。

それではどのような内容を話せばよいのでしょうか。ここで転職面接時で性格を聞かれた時の対処法として、3つの例を見てみましょう。

性格を発揮したエピソードを話そう

対処法のひとつとして、まず自分の性格をひとつ決めたらその性格を裏付けるエピソードを話しましょう。この方法では「良い意味で自身の性格がどのような効果をもたらすのか」をアピールできます。

例えば、何事にも全力で取り組める性格に決めた場合を考えてみましょう。「前職の営業で序盤は結果が出なかった。しかし自己分析・改善・行動を繰り返し営業成績でトップになった」のように話します。

これにより自分が仕事にまじめに取り組めること、積極的に課題を解決できることをアピールすることが可能です。

一度これまでの経験を振り返り、性格を発揮したエピソードを探してみましょう。印象的なエピソードから性格を決めることも方法のひとつです。自分では分からない・思い出せない場合は、家族や身近な人に尋ねてみるとよいでしょう。

人生の分岐点などを変えたプロセスを話そう

2つめに、人生の分岐点と関連付ける方法があります。自分の性格を話した後に、人生の分岐点などを変えたプロセスを話しましょう。人生の分岐点とは、自身が大きく成長した瞬間や価値観が変わった瞬間などです。

この場合もエピソードの紹介ですが、分岐点を盛り込むことで内容に厚みが生まれます。

思い立ったらすぐに行動する性格に決めた場合を考えてみましょう。分かりやすい例を紹介すると「要介護の祖母がいて介護士の方に支えてもらった。自分も人を支える介護職に就きたいと考え、働きながら資格を取得した」などです。

重要なポイントとして、その時の考えと行動を具体的に説明しましょう。この例では、素直な性格と行動力の高さをアピールできます。

より困難な問題を解決したエピソードを分岐点とすれば、課題解決能力やストレス耐性の高さもアピールすることが可能です。

入社後に自分の性格をどう生かすかを伝えよう

3つめに、入社後に自分の性格をどう生かすか伝える方法があります。最初に自分の性格を決めて話す点は同様です。エピソードを話した後の締めとして、仕事への活かし方を伝えてもよいでしょう。

誰とでもコミュニケーションができる性格と決めた場合の例を紹介すると「前職でチームをまとめ、プロジェクトの完結に貢献しました。私のコミュニケーションの高さは御社の営業職でも活かせると考えています」などです。

柔軟で器用な性格の場合は「一般事務職を担当していました。従業員の少ない企業であったため、本業以外の業務も幅広くこなし企業利益の向上に貢献しました。御社の事務系総合職でも活かしたいと思っています」のように伝えましょう。

性格の活かし方を伝えることで、面接官としても入社後のイメージや適切な配属先が明確になります。自社で活躍できる人材だと感じてもらえれば、大きなメリットです。

性格を聞かれる理由(面接官の意図)

転職面接の質問には、全てに理由(面接官の意図)があります。例えば志望動機に関する質問における面接官の意図は「仕事・会社への熱意や応募者のモチベーションを知りたい」です。

性格に関する質問には、そのような理由があるのでしょうか。ここで考えられる3つの理由を紹介しますので、ぜひ回答を考える前に参考にしてください。

自己分析ができているのか確認するため

自分の性格を文章化して具体的に伝えるためには、自己分析ができている必要があります。自己分析ができない人は、現場で「自分がやるべきことは何か」「何ができるか」正しく考えられません。

面接官は性格に関する回答の具体性や明確性を見て、応募者が自己分析ができているのか確認しています。そのため自己分析ができない人は、面接官から見ると企業に貢献できない人材です。

反対に性格を具体的に伝えれば、面接官は応募者が企業に貢献する姿をイメージしてくれます。

自身の性格に関する回答を考える時は、あらためて自分を見つめなおす機会です。具体的な文章を作るためにも、客観的に見た自分の性格やその性格が良い方向に働いた出来事を整理しておきましょう。

人間性を確認するため

人間性を確認したい、という意図もあります。例えばコミュニケーション能力が高い人は大人数でも協調性を持って行動できる人、真面目な人は単純な業務も丁寧に遂行してくれる人と判断することが可能です。

人間性を知れば、その人に合った職種も明確にできます。例を挙げるとコミュニケーション能力が高い人は、面接官から見るとチームの団結力を向上させプロジェクトを成功に導いてくれる人材です。

そのため転職面接では、企業が求める人間性にマッチしない性格をアピールしても有利に働きません。自分を見つめなおしてみると、それまで気付いていなかった性格が分かる場合もあります。

正直に伝えることは前提ですが、自分の性格の中でも希望の業種・職種に合ったものを設定するとよいでしょう。

 

会社との相性を確認するため

同じ業種・職種でも会社ごとに特徴はさまざまです。そのため性格に関する質問は、会社との相性を確認する意図もあります。

例えば技術革新を目指すベンチャー企業であれば、幅広い業務を担える人や新しいことも積極的に学ぶ姿勢がある人が理想です。

海外進出を目指す会社であれば、さまざまな価値観を受け入れ協調できる人や失敗を恐れず主体的に行動できる人が求められます。

面接官としては「採用後すぐに辞められる」「スキルを十分に発揮してくれない」などのケースを避けなければなりません。

優秀な人材でも社風に合っていない性格の人は、落ちる可能性があります。会社の経営理念や規模も理解した上で、アピールポイントとなる性格を伝えることが重要です。

面接で性格を聞かれた時の答え方

性格を聞かれるといっても「あなたの性格を教えてください」という質問が来るとは限りません。「長所は何ですか」「短所は何ですか」など、括りを絞った質問の場合もあります。

想定外の聞かれ方であわてる事がないよう、いくつかのパターンで回答を用意しておきましょう。ここでは、面接で長所・短所・人柄を伝える時のポイントを、例文を交えて紹介します。

長所を伝える時のポイント

面接官は「自分の良いところを理解しているか」「長所をうまく言語化して伝えているか」を確認しています。エピソードを交えつつ、分かりやすく長所を伝えましょう。

エピソードは仕事に限定する必要はありません。長年続けている趣味やボランティア・フルマラソン・登山に挑戦した経験を話すとよいでしょう。

以下、例文です。「長所は何ですか」と簡潔に聞かれている場合は、回答も長くなり過ぎないよう注意しましょう。

私の長所は好奇心が旺盛なところです。現在は英会話やプログラミング、動画編集など、自分が興味のある分野を働きながら勉強しています。

 

勉強といっても趣味の感覚で楽しみながら進めています。世の中に対する知見が広まること、対応できる仕事の幅が広がることに大きなやりがいを感じています。何事もストレスなく楽しみながら実践できる点が私の長所です。

短所を伝える時のポイント

短所は聞かれなければ自発的に話す必要はありません。短所を聞く場合、面接官は「自分の悪いところを理解しているか」「どのように改善しようと考え努力しているか」を確認しています。

単に短所を話すだけでは、マイナスイメージにつながるだけです。言い換えれば長所となるような短所をポジティブに伝えましょう。

以下は心配性なところを短所とした場合の例文です。言い換えれば、慎重で正確な作業を心掛けているとも捉えられます。

私の短所は心配性なところです。前職では事務職として働いていました。業務のひとつに比較的シンプルなデータ入力業務がありましたが、ミスが不安で何度もチェックしてしまい作業が遅い傾向にありました。

 

ミスをしないことは重要ですが、慣れた作業はスピーディーにこなす余裕も必要だと考えております。現在は自分なりのチェックリストを作成し、正確かつスピーディーに作業を進められる工夫をしています。

人柄を伝える時のポイント

「あなたの性格を教えてください」と漠然と聞かれた場合は、エピソードを交えつつ人となりを話し、どのように仕事に生かすかを説明しましょう。

以下の例文は営業職から企画職に転職する場合です。クライアントを理解し、課題解決を目指してきた真面目な性格を話します。この長所を活かせる場所を、新商品が売れるまで試行錯誤する企画職の仕事に結びつけた形です。

私は真面目な性格です。前職では新卒入社から5年間、ITソフトウエアの営業職を務めていました。

 

入社1年目は毎月のノルマも達成できない状況でした。しかしクライアントの悩みや現場の状況を知ることから愚直に勉強し、ノルマを達成できるようになりました。

 

4年目の時点では営業成績トップを記録し、会社の売上に大きく貢献しました。この経験はより良い新製品を生み出すために企画と分析を繰り返す、御社の企画職でも生かせるのではないかと考えています。

 

業界・業種ごとに求められる性格

転職面接では、自分が希望する業界・業種に合った性格をアピールすることが重要です。しかしこれから面接を受ける会社で、求められる性格を理解していない方もいるのではないでしょうか。

ここで3つの業界(IT・介護・公務員)と3つの業種(営業・事務・企画)で求められる性格を紹介します。自身の希望に近いものがあれば参考にしてください。

【業界】IT

IT業界、主にシステムエンジニアは、システムの企画・設計、運用などさまざまな作業を担当します。求められる性格は以下のとおりです。

求められる性格

理由

几帳面

システム設計の細かなミスが大きなトラブルにつながるため

論理的思考ができる

企画から運用・保守まで、ひとつひとつの作業の意味を考える必要があるため

忍耐力が高い

エラーの解決に試行錯誤したり、徹夜作業が続いたりするため。常に納期に追われる仕事であるため

柔軟性がある

日々トレンドが変化するIT業界は、適時知識をアップデートしなければならないため

協調性がある

チームでプロジェクトを成功に導かなければならないため。小まめにチームメンバーとコミュニケーションを取らなければならないため

親身

クライアント側の立場で、現状の課題を解決するシステムを考える必要があるため

冷静

トラブルが起きた時にすみやかに状況把握し、対応しなければならないため

 

【業界】介護・看護

介護・看護職は、高齢者の方やその家族と接する仕事です。一人一人、心身状態は異なります。介護・看護職に求められる性格は以下のとおりです。

求められる性格

理由

思いやりがある

高齢者に対する気配りや優しい言葉遣いが求められるため。ストレスを感じさせない対応が重要

コミュニケーションが得意

利用者・その家族・職員・地域住民など、さまざま人と関わるため。利用者にとって適切な支援を実現するためにもコミュニケーション能力が必要。

切り替えができる

重篤患者や生活の不自由な人を相手する心的負担が大きい仕事のため。プライベートまで引きずらないことが重要

向上心がある

利用者一人一人の心身状態に合った対応を日々学ぶ必要があるため。未経験から挑戦できる仕事のため、キャリアアップを目指す意欲が重要。

視野が広い

わずかな環境の変化や利用者の心情変化に気付き、対応しなければならないため

 

【業界】公務員

国家公務員と地方公務員があります。国や自治体のために働く仕事です。求められる性格はおおむね共通していますが、一部異なります。

求められる性格

理由

人のために動ける

国民・地域住民のために働く仕事であるため

明るい・朗らか

国・自治体の組織に所属し、上司や同僚と協力しなければならないため

堅実

長い期間を要する事業・プロジェクトにコツコツと取り組む必要があるため

想像力豊か

国民・地域住民のことを考え効果的な政策を実施する必要があるため

温厚

住民からの苦情・要望を聞くこともあるため

真面目

国民・地域住民からの信頼を得なければならないため

グローバルに考えられる

※国家公務員

外国とも比較しながら日本の国際状況を考えなければならないため

調整力がある

※国家公務員

政治家や自治体など立場や主張が異なる機関の橋渡しとなり、政策の立案などを実行しなければならないため

行動が早い

※地方公務員

地域で問題が生じたらすぐに現場に行く必要があるため

 

【業種】営業

法人営業・個人営業ともに営業職は、人と接する仕事です。自社商品だけでなくクライアントのニーズも理解する必要があります。営業職に求められる性格は以下のとおりです。

求められる性格

理由

人当たりが良い

クライアントや自社の他部門の人たちと良好な関係を築く必要があるため

スケジュール管理が得意

クライアントとの待ち合わせ時間や納期を守る必要があるため。小まめに連絡を取る必要があるため

器用

アポイント・会議・資料作成・アフターフォローなど、複数の業務をこなす必要があるため

記憶力が良い

クライアントとの会話を覚えていれば新商品をスムーズに提案できるため

好奇心が旺盛

積極的にクライアントや市場を学ぶことが重要であるため

忍耐力がある

営業職は最初のうち、成績を残せない場合が多いため

客観的思考ができる

クライアント目線で課題解決に最適な商品を提案しなければならないため

【業種】事務

事務職は、ほとんどの時間をパソコン作業に使います。基本的なパソコン操作は必須のスキルです。一方で人と接する機会がないわけではありません。事務職に求められる性格は以下のとおりです。

求められる性格

理由

単純作業が好き

社員のサポートがメインで、ルーティンワークが多いため

注意深い

データ入力や書類作成の小さなミスを避けるため。念入りにチェックする必要がある

スケジュール管理が得意

社員の動きに合わせて仕事をこなす必要があるため。期日の決まっている書類を作成する必要があるため

コミュニケーションが得意

他の社員とやりとりするため、最低限のコミュニケーション能力は必要

器用

データ入力・書類作成・電話対応などマルチタスクが求められるため

【業種】企画

企画職は新しい商品・サービスのアイデアを出す仕事です。他の人にはない特別なアイデアを出す人が適しています。求められる性格は以下のとおりです。

求められる性格

理由

知識欲が高い

アイデアをひらめくためには知識が必要なため。本などを読み積極的に知識を取得することが重要

好奇心が旺盛

今までにないものを企画する必要があるため。新しいトレンドに興味がある人が向いている

忍耐力がある

企画から商品化までには長い期間を要するため。売れる商品ができるまで試行錯誤を繰り返す必要がある

こだわりが強い

企画には独自性が必要なため。

コミュニケーションが得意

商品化までには他部門との連携も必要なため。人との会話がアイデアにつながる可能性もあるため

プレゼンテーションが得意

素晴らしいアイデアが生まれても経営陣を納得させなければならないため。分かりやすい文書を作成するスキルも必要

面接で性格を聞かれた時の注意点

アピールしようと意識し過ぎた結果、マイナスに働く可能性があります。良い回答を心掛けるだけでなく、悪い回答を避けるための準備も必要です。ここで面接で性格を聞かれた時の注意点を紹介します。

重要な点は質問の本質を理解することと嘘をつかないことです。さらに詳しく4つの注意点を解説しますので参考にしてください。

統一性を意識した内容にする

長所と短所をどちらも説明する時は、統一性を意識した内容にしましょう。例えば「積極的」を長所として話した後に「心配性」を短所として話すと、前半と後半で内容が矛盾してしまいます。

面接官としても人物像が分かりづらくなるため、言い換えの関係にある長所・短所を伝えましょう。言い換えの関係にある長所・短所の組み合わせ例は以下のとおりです。

長所

短所

積極的

リスク管理が甘い

慎重

心配性

人に影響されない

マイペース

作業が早い

せっかち

自分の意見を通す

協調性が足りない・頑固

好奇心が旺盛

同じことが続かない

集中力がある

視野が狭い

企業に寄せ過ぎる性格を話さない

転職面接では企業に合った性格を話さなければ、良い印象につながりません。とはいえ企業に寄せ過ぎる性格を答えても嘘をついていると思われる可能性があります。

例えば人と目を合わせることも苦手な方が「長所はコミュニケーション能力の高さです」と答えた場合を考えてみましょう。

面接官は、数十人・数百人の応募者と面接を経験している人事担当です。面接時の表情や視線から発言との矛盾を見抜いてしまいます。

そのため自身の本質と大きく離れた答えは避けましょう。ある程度寄せることは問題ありません。自身の引き出しの中から、効果的な性格を選ぶとよいでしょう。

「性格」と「長所」の違いを理解しておこう

答えが混同しないように、性格と長所の違いを明確にしておくことが重要です。違いを簡単に説明すると性格は「その人ならではの感情・意思の傾向」、長所は「その人の強み」を指します。性格のほうが範囲の広い言葉です。

面接での性格の聞かれ方として「性格を教えてください」と「長所を教えてください」というパターンがあります。

前者では良いでも悪いでもない人となりを紹介、または長所と短所を織り交ぜて回答してもよいでしょう。

後者の場合は自身が思う強みを話します。企業全体や他のスタッフに良い意味で影響を与えられるものを伝えましょう。

性格は具体的に話そう

性格は具体的に話すことが重要です。具体性を持たせる方法として「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識してエピソードを交える」「入社後の活かし方を伝える」「結論を先に説明し肉付けする」などがあります。

とはいえ転職面接は、企業と個人の相性を確かめる場です。特にその人の個性である性格は、合格するための回答を無理に作成するものではありません。

性格に関する答えを文章化する時間は、性格に合った企業を見つけるための自己分析と考えましょう。

企業に合った性格を具体的に話そうとした時、文章がスムーズに作成できないのであれば、自分に合った企業でない可能性があります。

まとめ

面接時の性格に関する質問には、自己分析能力・人間性・会社との相性を確認する意図があります。エピソードや仕事への活かし方を交えて、具体的に自分の長所や短所を伝えましょう。

業界・業種ごとに求められる性格はさまざまです。しかし企業に寄せ過ぎる性格を話すと矛盾が生まれるため、マイナスな印象につながります。正直に自分の性格を答えることは前提で、効果的な回答を準備しておくことが重要です。

面接本番は緊張のために、理想どおりに回答できない可能性があります。本番の緊張を押さえるために、ぜひ声に出して読みながら練習してください。

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