選考に通過するMRの志望動機の書き方|文系就活生向けの明確な志望理由の作成法と例文を紹介!
はじめに
医薬情報担当者、いわゆるMRという職業は、主に医療機関に自社の製品である医薬品を普及させることが仕事です。
その性質上、MRに就くのは大学で理系分野の学問を専攻している学生が多いですが、文系の学生に門戸が開かれていないわけではありません。
しかし、薬学などの専門的知識の面で理系の学生には及ばない文系の学生がMR職に就くためには、選考の際に知識面以外の部分をアピールするなど、理系学生とは違うアプローチをする必要があります。
今回は、MRを志望する文系の学生の志望動機の書き方について説明していきます。
【MRの志望動機】MRとは
MRは「Medical Representatives」の略で、日本語で医療情報担当者という意味を指す言葉です。
主に、医師や薬剤師などの医療関係者に対し、自社の医薬品の情報を伝達して販売を行う職種とされています。
MRは主に製薬会社に所属する人が行う仕事で、自社の営業担当として自社製品を顧客に販売します。
医薬品は、服用する人の体調を左右するもので、場合によっては命にかかわることも少なくありません。
そのためMRとして働く人は、対象の医薬品をはじめ薬に関するあらゆる知識やトレンドを身につけておくことが大切で、常に正しい情報を医療関係者へ伝達できなければなりません。
薬の知識に長けた営業マンとして、クリニックや病院などの現場で活躍します。
【MRの志望動機】MRの志望動機の3要素
MRの志望動機は、大きく3つの要素に分けられます。
1つ目の要素は、なぜMRを志望するのかです。
2つ目の要素は、自分の過去の経験です。
文系の学生の場合、知識面で引けを取る理系の学生と比べられるため、特に2つ目の要素が重要になってきます。
そして3つ目の要素は、なぜその企業でMRとして働くことを志望しているのかです。
最初の要素である志望理由と違い、この部分ではその企業の特徴などを踏まえて書く必要があります。
ここからは、志望動機の具体的な書き方や注意すべきポイントについて説明していきます。
1.なぜその企業のMRを志望するのか
まずは、なぜその企業のMR職を志望するのかを書きましょう。
なぜ志望するのかは、志望動機の結論に当たる部分になります。
この部分の内容が、志望動機で最も伝えたいことであるため、わかりやすく、そして明確に書くべきです。
この部分で書くべきことは、大きく分けて2点あります。
1つ目は、なぜMR職を志望したのかです。
この部分ではなぜあなたがMR職になりたいのかを書きましょう。
2つ目に書くべきポイントは、なぜその企業のMR職を志望しているのかです。
ここでは1つ目の部分とは違い、なぜその企業でMR職として働きたいのかを書きましょう。
なぜその企業のMR職を志望するのかを書くこの部分では、上で書いた2つのポイントを簡潔に記しましょう。
2.志望するに至った具体的な経験
次に、MR職を志望するに至った自身の経験を述べましょう。
ここで大切なのは、あなたの経験をできるだけ具体的に記すことです。
自身の価値観や、過去に経験したことなども具体的に述べ、それを踏まえてあなたがなぜMR職を志望するに至ったのかを伝えましょう。
あなたの価値観や過去の経験を記すことで、MR職を志望しているということに説得力を持たせることができます。
また、先に述べた志望理由とのつながりを持たせることを忘れないようにしましょう。
3.入社後にどのように頑張りたいか
最後に書くべき要素は、入社後にあなたがその企業でどのように頑張りたいかです。
ここでは、大学生活で培ったスキルを志望企業に入社した際にどのように活用していきたいのかを伝えましょう。
ただ漠然と頑張る意志があることを記すのではなく、あなたにどのようなことができて、その能力が入社後にどのように活かせるのかを書くと良いでしょう。
ここでおすすめしたいのが、あなたが志望する企業が求める人物像がどのようなものなのかを把握しておくことです。
あなたが入社後、志望企業が社員に求める人物像に沿った活躍を目指していることを、企業へアピールすると良いでしょう。
このようなアピールをして、応募する企業の求める人物像に合致していることを伝えるようにしてください。
【MRの志望動機】志望動機で見られていることは?
MRに限らず、内定を獲得するためには志望動機を明確にしておかなければなりません。
志望動機は面接時にほぼ必ず企業側から問われるものですが、どのような意図を持って企業側が聞いてくるのかを理解しておくと、より効果的な志望動機を用意できるでしょう。
自分自身がその企業を志望する理由は当然交えつつ、企業側が就活生側を探るために知っておきたい情報を踏まえて話すことで好印象を与えられます。
以下の点を押さえ、より魅力的な志望動機を作成しましょう。
志望度の高さ
まず、その企業に対して自分がどれだけ志望度を高く持っているかをアピールしましょう。
企業側からすれば、仮に内定を出した場合にその人が本当に入社してくれるかどうかは重要なポイントです。
そのため、就活生側がどれだけ自社に対する志望度を持っているかを選考初期の段階で測ります。
また志望度が高い就活生は、入社後に自身が取り組みたい仕事やキャリアプランも明確になっている場合が多いため、入社後の成長スピードも速い傾向にあります。
入社しても早い段階で退社してしまうことがなく、長きにわたって会社に貢献してくれる人材であるかどうかを併せて見極めてくるでしょう。
「この企業に必ず就職したい」という強い想いを持って面接に臨むと良いでしょう。
ポテンシャル
採用担当者は志望動機の内容や面接のやり取りの中で、就活生が現場でやっていける人材かどうかのポテンシャルを見極めてきます。
MRは、医薬品に関する専門的な知識はもちろん、医療全般の知識や医療従事者とやり取りできるだけのコミュニケーション能力も求められます。
未経験であっても目指すことはできますが、入社してからの知識や技術の習得には一定の努力が必要になるので、企業側はそれができる人材であるかを判断しなければなりません。
「入社後に思ったように活躍してくれなかった」「コミュニケーション能力は高いように思えたけど、現場の社員とうまく馴染めていない」というミスマッチを防ぐためにも、応募者が持つ本来のポテンシャルを志望動機で判断しようとするのです。
【MRの志望動機】漠然とした志望動機を明確にする方法
先述した三要素の内容が漠然としていた場合、あなたがなぜMRを志望するのかが相手に伝わりません。
実際にMR職に就くことを強く望んでいたとしていたとしても、志望動機に書いた内容がイマイチでは落ちてしまうかもしれません。
希望している企業に入るためにも、志望動機は明確に書く必要があります。
ここからは、漠然としている志望動機を明確にするための方法を、前に述べた三要素ごとに分けて解説していきますので、自身の志望動機と照らし合わせながらチェックしてみてください。
MRの志望理由を明確にする方法
はじめに、MR職を志望する理由を明確にする方法について紹介していきます。
先ほども述べたように、ただ漠然とMR職を志望している旨を書いただけでは、あまり良い志望動機とはいえません。
選考を通過するためには、あなたがMRを志望している理由をはっきりと記す必要があります。
志望理由を明確なものにするには、自己分析と企業研究を行うことが重要になってきます。
自己分析を行うことは、あなたがなぜMR職を志望しているのかをはっきりとさせることにつながります。
また、企業研究を通して、なぜその企業でMRとして働きたいのかが明確になるでしょう。
なお、「自己分析」と「企業研究」について紹介している記事を用意しましたので、それらも併せてご覧ください。
%%related_306064%%
%%related_306079%%
具体的なエピソードを見つける方法
次に具体的なエピソードを見つける方法について紹介していきます。
MRを志望するに至った経緯を記す際には、それに関連する具体的なエピソードを併せて書かなければなりません。
志望動機に書けそうなエピソードを一つひとつ探していく方法もありますが、それでは時間がかかってしまいます。
具体的なエピソードを見つける際に効果的なのが、自分史を書いてみることです。
それまであなたが経験してきたことを網羅的に書き並べていくことで、自分が製薬業界に興味を持ったきっかけを見つけやすくなります。
自分史の作成を通して発見したきっかけを起点にして、志望動機に書けそうなエピソードを探していきましょう。
そしてそこで見つけたエピソードを、志望動機の中で述べると良いでしょう。
自分史の書き方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
%%related_306645%%
【MRの志望動機】製薬業界でアピールできる資格やスキル
MRは主に医薬品を扱う仕事です。
ある程度薬や医療に関する知識を持ち合わせておいた方が良いものの、必ず所有すべき資格や身につけておくべきスキルというのはありません。
そのため、文系でも目指すことができるのがMRの特徴です。
しかし、そのような職種であるからこそ、特定の資格やスキルを持っておくと面接のときに有利になるケースが多くあります。
たとえば、国内だけでなくグローバルに展開している企業の場合は、英語に関する資格を有していると、MRとしての仕事がやりやすいかもしれません。
自身が志望する企業がどのような資格やスキルを有しておくと良いかを調べておき、事前に取得を試みておきましょう。
また可能であれば、以下の資格を有しておくとより企業側の印象も良くなるので、ぜひ検討してみてください。
薬剤師
薬の調剤や患者への処方・服薬に関する指導を行うのは薬剤師の仕事であり、薬剤師になるためには国家資格が必要です。
薬剤師の資格取得には、大学6年間の薬剤師養成課程の修了が条件であり、薬剤師は薬学に関する幅広い知識を有している証明になります。
MRは医薬品の説明を医師や看護師などの医療従事者に行うため、薬学について理解が深い方がより専門的なアドバイスが可能です。
またクライアントに対して、薬剤師の資格所有者が医薬品を説明しているとなると説得力がより高まります。
もちろん、薬剤師の資格を取得した方はそのまま薬剤師になるケースが多いです。
MRの仕事に必須の資格でもありませんが、たとえば薬剤師からMRへの転職を考えている方などは大きなアピール材料となるでしょう。
MR認定証
MR認定証とは、MR認定試験の合格者がもらえる証明書です。
1997年よりMRの職に就く人々の資質向上を狙って作られた資格試験であり、MRの業務にまつわる知識をどれだけ有しているのかを試験によって客観的に評価します。
製薬会社やCSO(医薬品販売業務受託機関)に在籍してMR導入教育を受講した方や、仮に在籍していなくてもMR教育センターが認定する研修施設で規定時間の教育を受講していれば、当試験への受講資格があります。
基本的には入社後に認定証の取得を指示されるケースが多いですが、入社前に取れる機会があれば、MR認定証の取得は志望度の高さを強くアピールできる良い材料になるでしょう。
MRに興味を持っている方は、勉強して試験に合格し、MR認定証の交付を受けることも検討してみてください。
【MRの志望動機】文系が志望動機で気をつけるべきこと
文系の学生は、大学で医療に関する専門的な教育を受けていない場合がほとんどです。
そのため、大学で医療について学んだ薬学部などの学生と比べると、文系の学生は志望動機を深く掘り下げることが難しいといえます。
企業はMRの選考をする際に、専門知識の面で理系の学生と引けを取る文系の学生に対しては、知識以外の点を重視します。
ですから文系の学生が選考に通過するMRの志望動機を書くには、志望するまでの具体的な経緯や、自身のコミュニケーション能力が高いことを伝えることが重要になります。
ここからは、文系の学生がMRの志望動機を書く際に心がける点を3つ紹介していきます。
MRを志望する文系の学生の方は、志望動機を書く際の参考にしてみてください。
MR職を志望する具体的なエピソードを工夫する
MRは、医療や薬学のような理系の分野の知識が必要になってきます。
そのような理系の分野に寄った職業を、大学で文系の学問を専攻した学生が志望するに至るまでには何か大きなターニングポイントがあることが一般的です。
企業は、専門的な知識の面で理系に及ばない文系の学生には、知識面での差を挽回できるような、MRを志望する意思の強さを求めています。
文系を専攻しているにもかかわらず、製薬業界、そしてMRに興味を抱いた理由が漠然としていると、あなたの志望する意思の強さが相手に伝わりにくくなってしまいます。
そのようなことを避けるために、文系の学生はMRを志望するに至った具体的なエピソードを語るだけでなく、それを工夫してより自分らしさをアピールしなければなりません。
コミュニケーションスキルの高さを求められている
文系の学生がMRを志望する際には、MRという職業の性質上、選考において専門的な知識を有する理系の学生と同じ条件の下で競合することを理解しましょう。
しかし、文系の学生がMRとして採用されることは珍しいことではありません。
つまり、企業はMRを志望する学生に対して、知識や技能の専門性を求めているわけではないのです。
企業は選考の場において、専門知識が乏しい文系の学生にはコミュニケーション能力の高さを求めています。
ですから、文系の学生がMRの志望動機を書く際には、自身のコミュニケーション能力が秀でているということをアピールする必要があります。
その際には、学生時代に行ったアルバイトやサークル活動など、人と密にコミュニケーションを取った経験を記してコミュニケーション能力をアピールすると良いでしょう。
勉強が苦でないことを伝える
志望動機では、勉強が苦でないことを伝えることも重要です。
MR職として企業に採用されただけでは、MRとして働くことはできません。
採用後に国家試験であるMR認定試験を受ける必要があります。
ほとんどの企業で、このMR認定試験に合格することがMRの仕事に従事するための必須条件になっています。
ですので、入社したからといって安心はできず、入社した後の1年間は勉強漬けの日々を過ごすことになるでしょう。
企業は、なかなかMR認定試験に合格できず、MR活動を許可できない人よりも、最初の試験で合格してすぐにMRとしての活動を始められる人を評価します。
面接の場では、「学業に励んできた」「勉強が苦にならない」など、どんなことでも積極的に学ぶ意思があるということを企業側に伝えましょう。
【MRの志望動機】志望動機の基本構成
企業側は就活生の志望度やポテンシャルを志望動機によって見極めるため、事前にしっかりと準備しておかなければなりません。
とはいえ、今までの就職活動時からガラッと変えたものや、独自性があふれるような志望動機をわざわざ作る必要はありません。
構成を意識して志望動機を作成できれば、論理的に話を進められるため、相手にとっても理解しやすい内容となります。
以下の構成を意識して、MRの志望動機を作っておきましょう。
結論
志望動機を述べる場合は、最初に結論から伝えるようにしましょう。
最初に結論を述べることで、志望動機として一番伝えたいことを明確に伝えられますし、何より相手側からしても冗長感が薄れて話の内容を理解しやすくなります。
MRの志望動機の場合は、「医薬品を通じて患者達の健康を守る役割を担いたい」など、仕事内容に通ずる内容の結論を述べるのが効果的です。
その企業の仕事内容や企業理念も事前に調べておき、企業側に刺さる言葉や表現がないか探してみると良いでしょう。
最初に述べる内容であるからこそ、強く相手の心に残る言葉を考えておくとベストです。
なぜこの企業を志望したのか、その一言をまず述べたうえで以降の話へ入るようにしましょう。
動機
結論を述べた後は、なぜその結論に至ったのか動機の部分を話します。
動機では、具体的なエピソードを話して説得力を持たせることを意識してみてください。
また、MRを募集している企業はその企業以外でも数多く存在するため、企業側は「なぜ自社を選んだのか」という質問をしてくる確率は高いです。
その質問に答える意味も込めて、「なぜこの企業がよかったのか」もこの動機の段階で話せるようになっておきましょう。
MRの場合、自身が医薬品に助けられたエピソードなどを具体的に話してみると、この業界へ興味を持った動機として効果的なものになるかもしれません。
志望動機とうまく結びつけられそうなエピソードを探し、自分が入社したいと感じた気持ちと併せて表現してみましょう。
目標
自身が入社してからの目標についても、志望動機の構成の締めとして伝えられると良いでしょう。
「会社のために自分が何をしたいか」「どんなキャリアアップを図りたいのか」など、企業研究の内容も含めたうえでなるべく明確に伝えられるのがベストです。
また、「私には○○といったスキルや強みがあるため御社の○○の分野で活躍できます」など、自身の長所も併せてアピールしておくことをおすすめします。
入社後の目標を明確にして述べられれば、企業側に志望度の高さを強くアピールできます。
結論と動機に加えて目標もきちんとした内容であれば、相手に与える信頼感も違ってくるでしょう。
志望動機をいかに効果的に伝えられるかどうかが、内定獲得への大きなポイントになります。
【MRの志望動機】MRの志望動機 例文
ここまで述べたことを踏まえて、文系の学部に所属する大学生のMRの志望動機の例文を紹介します。
私が高校生のときに、私の叔母に乳がんが見つかりました。
叔母は抗がん剤治療を受けることになりましたが、副作用を伴う薬だったため、体への負担が大きく、非常に苦しんでいる様子でした。
しかし、当時新たに開発された薬を使ったことで、治療における体の負担は軽くなりました。
この経験から、今まで治せなかった病気を治すための新薬の開発だけでなく、副作用を軽減するための新薬の開発もがんに苦しむ人のために必要だと感じ、製薬業界に興味を持ちました。
そして、スペシャリティー領域の新薬の開発に力を入れている貴社でなら、自分の夢を実現させられそうだと思い貴社を志望しました。
学生時代、2年間コールセンターでのアルバイト経験があり、コミュニケーション能力には自信があります。
このスキルを活かして、医療従事者の方々と貴社との懸け橋となり、貴社に貢献していこうと考えています。
ぜひこの例文を参考に、自分の言葉で志望動機を作ってみてください。
【MRの志望動機】提出のマナーに注意
MRはその仕事柄、医者の方々と関わる機会が多いです。
そのため、製薬会社などMRを募集している企業は、一般的な企業よりもマナーを重視することが多く、マナーが守れているかどうか選考の際に細かくチェックします。
ですから、エントリーシートなどの書類の提出をする際には、基本的なマナーに注意を払う必要があります。
書類の提出マナーについても確認してみてください。
まとめ
今回は、文系学生のMRの志望動機を書く際のポイントについて述べてきました。
MRの志望動機は3つの要素に分けられますが、そのうち自身の過去の経験を述べる部分では、具体的なエピソードを盛り込むようにしましょう。
また、MRの仕事で求められる専門的知識を大学で学ばなかったことをカバーするために、文系の学生は知識面以外の、コミュニケーション能力や勉強が苦でないことをアピールすることが大切です。
そして、製薬会社はその仕事柄マナーに厳しいことが多いため、書類の提出の際は特に注意しましょう。
SHARE この記事を友達におしえる!