既卒の就活が厳しいって本当?就活が難航する理由と対策を徹底解説

既卒の就活が厳しいって本当?就活が難航する理由と対策を徹底解説

目次
  1. はじめに
  2. 【厳しい既卒就活対策】既卒の定義
  3. 【厳しい既卒就活対策】既卒就活が厳しい理由
  4. 【厳しい既卒就活対策】既卒就活の実情
  5. 【厳しい既卒就活対策】既卒者の就活方法とは
  6. 【厳しい既卒就活対策】就活成功のためのコツ
  7. 【厳しい既卒就活対策】既卒就活の注意点
  8. 【厳しい既卒就活対策】採用されやすい人材の特徴
  9. まとめ

はじめに

「既卒の就活は厳しい」とよく言われています。

確かに、新卒や第二新卒よりも既卒募集の求人は少なく、選択肢が狭いことが現状です。

既卒は新卒枠で応募をすることができませんし、社会人経験がないため中途採用枠でキャリアのある人材と戦うことも難しいものです。

しかし、国内企業のほとんどが人材不足であり、近年では既卒採用を積極的に行っている企業も少なくありません。

今回の記事では、既卒の方が就職するためのプロセスや既卒求人の探し方などをご紹介します。

厳しい就活を一刻も早く追えられるよう、ぜひこの記事を励みに取り組んでください。

【厳しい既卒就活対策】既卒の定義

高校や大学を卒業して間もない人の中には、「果たして自分は既卒の部類なのか」と疑問に思う人もいるでしょう。

まずは既卒の定義についてご紹介します。

既卒とよく混同されがちな第二新卒との違いについてもご紹介するので、就職先企業を探す前に知っておきましょう。

既卒=卒業後3年以内で就労経験がない人

既卒とは、高校や大学・大学院などを卒業してから3年以内に就労経験がない人を指します。

家事手伝いをしているいわゆるニートの方や、大学卒業後に海外留学をして就活をしなかった人も「既卒」の扱いです。

なお、学校卒業後にアルバイトをしていた方は「フリーター」に分類されます。

第二新卒との違い

既卒と第二新卒はよく間違えられますが、定義が全く異なります。

既卒は就労経験がある人ですが、第二新卒は一度新卒で就職した人を指します。

いずれも学校卒業後3年以内の人なので、年齢は20代前半〜中盤くらいが目安ですが、経験の有無によってこの分類が異なります。

【厳しい既卒就活対策】既卒就活が厳しい理由

既卒の就活が厳しいと言われている主な理由は、以下の3つです。

既卒の就活が厳しいといわれている主な理由
  • 新卒採用に注力している企業が多いから
  • 新卒で就職しなかったことに懸念されるから
  • 社会経験が不足しているから

新卒や第二新卒よりも少数派だからこそ既卒採用をしている企業は少なく、就労経験がないことが懸念されることもあります。

それでは、これら3つの具体的背景を詳しくみていきましょう。

新卒採用に注力している企業が多いから

国内企業の大半は新卒採用に注力をしています。

もちろん中途採用も定期的におこなってはいるものの、既卒者は中途採用のフィールドに乗っかることが難しいため、募集している企業にであるのは難しいと言えます。

企業が新卒採用に積極的な理由は、有能な人材をいち早く見つけて育てたいという思いがあるからです。

卒業したばかりの人材は、採用後に組織に染まりやすく、教育がしやすいのです。

また、中途採用はある程度のキャリアとスキルを活かせる人材を積極的に採用しており、即戦力として期待されます。

既卒はいずれにも該当しないため、新卒や中途採用の二の次になってしまうというわけです。

新卒で就職しなかったことに懸念されるから

とくに大学を卒業後に就職しなかった人は、新卒の就活という貴重な機会を逃してしまったことに懸念を持たれます。

たとえば、以下のような懸念を持つ採用担当者も少なくありません。

新卒で就活しなかったことに対して持たれうる懸念
  • どの企業にも採用してもらえなかった
  • 就職ができない人格的な理由があるのではないか
  • 就活を怠ったということは、職務についても怠ってしまうのではないか

もちろん、全ての企業がそう感じているわけではありませんが、大多数の採用担当者は何かしらの懸念を持っているということを念頭に、慎重に就活を進めましょう。

社会経験が不足しているから

既卒は学校卒業後に就業経験を持たない人を指します。

そのため、企業が既卒者を採用したらゼロから育成しなければなりません。

新人時代は当然ながら会社の利益を生み出す仕事はできませんから、会社にとっては人件費だけが嵩むことになります。

社会経験は、学生時代のように机上で学ぶものではありません。

一定の期間社会人として就労するからこそ得られるスキルが多くあるため、既卒者の社会経験不足は懸念されてしまうのです。

【厳しい既卒就活対策】既卒就活の実情

既卒は就活が厳しいと言っても、実際の就活市場が気になることでしょう。

実は、既卒者の採用市場は追い風傾向にあります。

さらに、国による既卒者支援制度も存在するので、一昔前よりは厳しさが軽減されています。

次よりご説明するのは、厚生労働省の方針をもとにした確かな情報です。

「昔よりは楽」ということを念頭に、まずはネガティブな気持ちを払拭してください。

既卒の採用市場は追い風傾向

日本は少子高齢化にともない、有効求人倍率が上がっています。

有効求人倍率とは、求人している企業に対する求職者の数を数値化したものです。

求人企業500社に対して求職者が250人しかいなかった場合、倍率は2倍ということです。

現代の日本の全業種の有効求人倍率は、厚生労働省の一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)についてによると、令和5年12月の有効求人倍率は全体で1.27倍、新卒だと2.26倍でした。

新卒採用が厳しくなっているため、人気企業以外の企業は中途人材や既卒人材も視野に採用活動をしているのです。

国による既卒者の就活支援もある

有効求人倍率が高い世の中ですから、国内の企業が少しでも人材で潤うよう、国による既卒者の就活支援制度もできました。

厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」のご案内によると、2010年以降は学校卒業後3年以内の既卒者を新卒採用枠で採用できるように促しています。

確かに既卒者は様々なネガティブイメージから採用されにくいことに変わりはないですが、既卒者が新卒求人に応募してもNGではないのです。

【厳しい既卒就活対策】既卒者の就活方法とは

既卒者が少しでも早めに就職を成功させるためにやっておきたいことが、入念な事前準備と正しい方法での求人探しです。

焦っているからと言ってがむしゃらに手当たり次第就活を進めるのではなく、成功率を高められるプロセスを理解した上で就活に取り組みましょう。

就活前の事前準備3ステップ

内定確率を上げるためにやっておきたいことが、事前準備です。

学生時代に就活を経験したことがある人はご存知かもしれませんが、自己分析・業界分析・企業分析は就活の事前準備における鉄則です。

手当たり次第に求人探しをする前に、それぞれしっかりとおこなっておくことでミスマッチがない転職先に出会うことができます。

事前準備こそ怠らずに、時間をかけて丁寧におこないましょう。

自己分析

自己分析は、文字通り自分を分析することです。

自己分析が就活で必要な理由としては、自分の強みや価値を武器に就活に臨みたいからです。

書類選考や面接は、応募先の企業に自分の価値を最大限アピールする機会です。

自己理解が浅いと自分が本当に長けている部分を見逃してしまい、効果的なアピールをすることができません。

就活は戦いでもありますから、まずは自分を理解した上で戦略を考えましょう。

業界研究

業界研究とは、働きたい業界を研究することです。

やりたい職業や行きたい業界がある人は、求人探しをする前に業界研究をした方が良いでしょう。

業界を知ればその業界でどういう職業の人材が活躍しているのかが分かりますし、今後のキャリアプランを考えるきっかけにもなります。

また、業界研究をすると様々な企業を知ることもできます。

行きたい会社が見つかる可能性もありますし、その業界の企業同士のつながりから市場を知ることもできるでしょう。

企業研究

企業研究は、応募先の企業について調べることです。

これは実際にその企業に応募をする前にやっておきましょう。

応募先企業について知ることで、その企業の魅力的なポイントがわかるようになり、志望動機を作成する際に有利です。

また、面接では対象の業界の時事ネタについての感想などを問われることもあるので、業界知識がある人は採用担当者の目を引くでしょう。

既卒者の求人探しのすすめ

就活が厳しいと言われている既卒者ですが、求人の探し方によっては効率的に進めることができます。

ここからは、転職サイト・ハローワーク・転職エージェントのそれぞれの方法で就活をするメリットや着目したいポイントについてお伝えします。

自分に合った方法で求人探しをしてみてください。

転職サイトで検索

最も手軽に求人探しができるのが、転職サイトを利用することです。

最近ではスマホ版のアプリも便利で、リアルタイムで求人している企業を一覧から見つけることができます。

大手企業になると膨大な求人案件に出会うことができるので、言い換えると「探し放題」と言うことにもなります。

なお、転職サイトは即戦力採用の案件が多くあります。

求人を探すときは「既卒歓迎」「未経験歓迎」などのワードに着目してみましょう。

ハローワークに相談

ハローワークは各自治体に存在するので、地元企業の求人案件が豊富です。

窓口で相談をすると、担当者が既卒募集をしている地元企業を探してくれます。

また、ハローワークの案件はネットで検索することも可能です。

ただし、転職サイトのように細かな情報は出ていません。

社風を語った文章や社員インタビューなどは当然ありませんし、職場環境が非常に分かりにくいことがデメリットです。

ハローワークの求人で気になった企業があれば、必要以上に企業研究をして応募を検討しましょう。

転職エージェントに相談

既卒者に最もおすすめな転職方法が、転職エージェントに相談をすることです。

転職エージェントは、求職者の適性や志向性をヒアリングした上で求人案件を紹介してくれます。

もちろん、既卒者の方は既卒者にあった案件を紹介してくれるので、転職サイトやハローワークなど自ら行動をして応募する方法よりもミスマッチが防げます。

また、転職エージェントは求人紹介だけでなく選考対策のサポートもしてくれます。

履歴書や職務経歴書の添削をしてくれたり、面接対策のアドバイスもしてくれるので、就活に不安がある既卒者にはぴったりの存在です。

【厳しい既卒就活対策】就活成功のためのコツ

就活を成功させるためには、入念な選考対策をしましょう。

ここからご紹介するのは、就活が厳しいと言われている既卒者にこそやっていただきたいステップです。

書類選考に入る前に、ぜひやっておいてください。

空白期間を説明できるように準備する

既卒者には「空白期間」と呼ばれる期間が存在します。

ここで言う空白期間とは、就労していない期間のことです。

学校卒業後、なぜ就労していなかったのかを説明できなければ、採用担当者は懸念を抱いたまま不採用の方向で考えてしまうでしょう。

海外留学をしていた人は何のために留学をしたのか、夢を追うために空白期間を設けていた人はその期間に何をしていたかを説明できるようにしておきましょう。

今のうちに取れる資格は取っておこう

就活で有利な資格は、実はすぐにでも取れるものも案外多くあります。

たとえば、パソコンのスキルの度合いを示すMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)や、ITパスポートなど。

そのほかにも、以下の資格が簡単と言われています。

取るのが比較的簡単だといわれている資格
  • 介護初任者研修
  • ウェブデザイン技能検定
  • 医療事務
  • 電気工事士
  • 基本情報技術者

これらの資格は、他の資格に比べて合格率が高いのでおすすめです。

行きたい業界に役に立ちそうな資格があれば、積極的に取得しましょう。

書類選考対策をしておこう

書類選考は応募先企業への採用に挑む第一関門です。

履歴書や職務経歴書などは文章で熱意や意欲をアピールする必要があるので、企業へのラブレターとも言えます。

決まったフォーマットで限りある文章量の中で自分を最大限アピールする必要があるので、自信がつくまで何度も書き直して良いものに仕上げましょう。

なお、転職エージェントに登録をした人は担当のキャリアアドバイザーから添削してもらうことも可能です。

文章に不安がある方は、転職エージェントの支援を受けると良いでしょう。

面接対策をしておこう

面接までこぎつけたら、あとは最終的な切り札を出して自分をアピールするのみです。

しかし、多くの求職者が苦戦するフェーズが面接なので、ここでも綿密な対策が必要です。

面接は基本的に面接官と一対一で進めますが、質問される内容はほとんどの企業で共通している部分があります。

それが以下6つの質問です。

面接で聞かれやすい質問
  • 自己紹介
  • 志望動機
  • あなたの強み(弱み)
  • 空白期間について
  • 自己PR
  • キャリアプラン

これらに対する回答を事前に用意しておきましょう。

難しく感じるかもしれませんが、自己分析をすれば自分の強みや自己PRを伝えることができますし、企業研究をしていれば効果的な志望動機も言えるでしょう。

【厳しい既卒就活対策】既卒就活の注意点

既卒者が就活する際、いくつか注意してほしいことがあります。

新卒でも中途採用でもない人材なので、一般的な就活とは異なるということを念頭に就活を進めましょう。

即戦力採用の求人は優先順位を下げた方がベター

既卒者が就活する場合、基本的には「中途採用枠」で応募をすることになるでしょう。

ここで苦戦するのが、中途採用をしている企業のほとんどが即戦力を求めているということです。

もちろん未経験OKの求人もありますが、その場合でも社会経験を問われます。

「既卒歓迎」などのワードがない求人案件は、できるだけ優先順位を下げておいた方が良いでしょう。

劣等感を感じないように強いマインドを保とう

既卒は就活が厳しいと言われているため、就活中は精神的に辛い気持ちを抱きやすくもあります。

しかし、決して劣等感を感じないでください。

今は辛くても、最終的にキャリアを成功させれば勝ち組なのです。

今の辛さだけに目を向けず、5年後や10年後にバリバリ活躍している自分を想像しながら、楽観的な気持ちで就活に臨みましょう。

一人で悩まないように

既卒就活は新卒就活のように仲間がいないことが大半です。

そのため、就活に有益な情報が不足しがちなことがネックと言えます。

しかし、仕方がないからといって一人で抱えるのはよくありません。

精神的な負担を感じやすくなりますし、マイナスな気持ちが面接でも表情に現れてしまうでしょう。

もし周りに相談できる相手がいなければ、ぜひ転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談をしてみてください。

相性の良いキャリアアドバイザーが見つかれば、あなたの悩みに対して真摯に相談に乗ってくれますし、励ましてくれるでしょう。

【厳しい既卒就活対策】採用されやすい人材の特徴

既卒でも採用されやすい人・そうでない人には、性格的な特徴があります。

ここからご紹介するのは、採用されやすい人の特徴です。

自分の性格的な特徴が少しでも当てはまれば、採用されるまでが早いはずです。

ポジティブな気持ちで就活に臨みましょう。

行動が早い人

既卒就活は厳しいからこそ、何事も早い行動が大切です。

とくに求人案件を探すときは注意です。

応募を躊躇したりレジュメ作成を後回しにしていると、いつの間にか応募期間が終わってしまうことが想定されます。

行動が早い人は企業とのやりとりもスピーディなので、応募している段階から好印象を植え付けることもできるでしょう。

マイペースは悪いことではありませんが、就活時期だけは早めの行動を心がけてください。

ポジティブマインドを持つ人

就活はネガティブになりがちですが、あまりにも不安や焦りを感じていると、面接で採用担当者と対峙したときに表情に現れてしまいます。

マイナス思考だと良い志望動機が語れませんし、自己PRも不十分になりがちです。

先ほどもお伝えしましたが、既卒の就活は今が辛いだけです。

将来的にキャリアを成功させていれば勝ち組なので、未来にだけ目を向けましょう、

キャリアプランを持っている人

キャリアプランを持っている人は、どの企業でも期待される人材として目を引きます。

将来の夢や理想、自分が歩みたいステップを具体的に語れると、採用担当者はあなたを長期的に活躍してくれる人材として期待するので、採用される確率が上がります。

キャリアプランを持っていればあなた自身もポジティブな気持ちで就活に臨めるので、まだざっくりとしている人はこれを機会にキャリアプラン作成をしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

既卒の方は就活に苦戦しがちで、厳しい状況にネガティブな気持ちを持ってしまうことでしょう。

しかし、今回の記事でご紹介したとおり、昨今は既卒者の採用に積極的な企業が増えています。

また、入念に選考対策をしておけば既卒者ということを払拭させられるくらい、効果的なアプローチができるでしょう。

今回ご紹介したコツを参考に、早めに行動しましょう。

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