賃貸営業面接を攻略！賃貸営業の実態についてもくわしく解説！

はじめに

不動産業界の営業職は、インセンティブが大きく実力次第で高収入をねらえるというイメージが強く、他業界の営業職からの転職者も多い職種です。

その反面、求められる知識やスキルが多い・ノルマがきびしいなどのイメージから、敬遠されやすい職種でもあります。

しかしこうしたイメージの多くは販売営業や売買仲介営業に対するものであり、賃貸仲介営業にはあまりあてはまりません。

業務に対するイメージが実態に即していないと、転職の面接でも企業が求める人材から離れた受け答えをしてしまうおそれがあります。

そこで今回は、賃貸仲介営業の実態を解説すると共に、転職の面接で注意すべきポイントもご紹介します。

他業界から賃貸仲介営業への転職を目指す際、ぜひ参考にしてください。

【賃貸営業面接を攻略！】賃貸仲介営業とは

賃貸仲介営業とは、顧客に対して賃貸物件を紹介・案内し、賃貸借契約を結ぶ仕事です。

不動産会社を通して賃貸物件を借りたことがあれば、たいていは賃貸仲介営業を介して契約を結んでいるはずです。

したがって、仕事内容についてイメージが湧く方も多いのではないでしょうか。

しかし、賃貸仲介営業は不動産会社の借主だけでなく貸主（大家）とも交渉し、契約書の作成を行うなど、顧客からは見えない業務も多くこなさなければなりません。

特に近年ではインターネット上の不動産情報サイトから情報を得る顧客が増えているため、掲載する情報を収集し、サイトを更新するのも重要な業務です。

賃貸仲介営業は賃貸物件の貸主と借主の架け橋となり、契約がスムーズに進むよう準備を整える職業であると言えます。

【賃貸営業面接を攻略！】賃貸仲介営業の仕事内容

賃貸仲介営業の仕事内容は企業によって異なり、不動産管理業務も担っている企業では、賃貸物件の入居者フォローなども賃貸仲介営業が行っているケースもあります。

しかし、賃貸仲介営業の仕事の要諦である、仲介に関する仕事の流れは共通している部分が多いため、ここでは仲介についての仕事の流れをご紹介します。

顧客に賃貸物件を紹介して契約を得るためには、顧客から見えない仕事も、多くこなさなければならないことがおわかりいただけるでしょう。

仕事の流れ

賃貸仲介営業の仕事は、広告・問い合わせ対応・契約締結の3段階に大別できます。

広告はインターネット上の不動産情報サイトに物件情報を掲載するのがメインです。

しかし、ポスティングチラシや折り込みチラシを作成して配布する場合もあります。

多くの物件の中から、自社が仲介する物件に目を留めてもらえるようにしなければならないため、広告は非常に重要です。

こうした広告を見て問い合わせてきた顧客に電話やメールなどでアポを取り、物件を内覧します。

顧客1組につき2～3件は物件を案内するうえ、内覧希望は土日や祝日に集中するため、週末は内覧に終始することも珍しくありません。

顧客が物件を決めたら、入居審査や契約書の作成などの事務処理を行い、契約を結んで1件の仕事が完結します。

【賃貸営業面接を攻略！】仕事の魅力ややりがい

賃貸仲介営業の大きな魅力は、契約を結ぶことで顧客から感謝されると同時に、会社からも評価されることです。

特に賃貸仲介営業はほかの不動産販売営業などと比べて、短いスパンで多くの顧客に対応するため、感謝される機会も多いという特徴があります。

業績が成約件数として目に見えるうえ、給料が歩合制であれば収入にも反映されるため、やりがいを感じやすい仕事です。

また、顧客からの問い合わせに応じて営業を行うため、プッシュ型の営業と比べて断られる機会は少なく、心理的負担が軽いことも魅力の1つです。

さらに、高級マンションやデザイナーズ物件など、さまざまな賃貸物件を見られるという魅力もあります。

普段は入れない住宅にも仕事であれば入れるため、不動産の知識を身につけたい方や、建築が好きな方に適した仕事だと言えるでしょう。

【賃貸営業面接を攻略！】賃貸仲介営業の面接を通過するために

企業は新卒採用の社員に対しては将来性を重視する一方、転職者に対しては即戦力になってくれることを期待しています。

そのため、新卒採用面接と同じ感覚で転職の面接に臨むと、面接を突破できない可能性があります。

転職の面接を通過するために、新卒の面接との違いを把握し、面接対策を立てましょう。

ここでは、賃貸仲介営業の面接を通過するために準備すべきことや、面接時に注意すべきポイントを3つご紹介します。

この3点を意識すれば、面接で高評価を得られるでしょう。

面接前の調査と分析が最重要！

賃貸仲介営業の面接では不動産業界について質問されることが多いため、不動産業界やその企業の立ち位置について、事前に調べておくことが重要です。

不動産業界と一口に言っても、デベロッパーや不動産販売、売買仲介など、多くの業種が存在します。

それぞれの違いは何か、そのなかで賃貸仲介業を選んだ理由は何か、なぜその企業なのか、きちんと説明できるようにしておきましょう。

特にその企業ならではの特徴を把握しておくと、志望動機を語りやすくなり、企業からの印象も良くなります。

また、不動産そのものについて質問される場合もあるため、不動産に関する基本的な知識も身につけておくと安心です。

「自分が賃貸物件を借りるとき、営業職に求める知識は何か」を意識して勉強すると良いでしょう。

コミュニケーションを意識する！

賃貸仲介営業として成果をあげるためには、顧客とのコミュニケーションが重要であることから、面接でもコミュニケーション力が重視されます。

顧客の話を聞くのと同様に、会話のキャッチボールが続くように意識して質疑応答を行いましょう。

また、賃貸仲介営業は顧客からの信頼を得る必要があるため、緊張する場面でも落ち着いた態度を取れることも高評価につながります。

面接で緊張して慌てたり気後れしたりしないよう、事前に面接の練習をしてください。

面接練習は家族などに面接官役を依頼して練習することも可能ですが、できれば緊張感をもって練習できる環境を整えましょう。

転職セミナーやエージェントなどを利用すると、就職・転職の専門家を相手にして面接練習ができるうえ、アドバイスももらえます。

身だしなみを整える！

人は見た目で9割を判断しているといわれています。

特に面接は短時間で多くの志望者の合否を判定するため、面接官に対して見た目で悪印象を与えてしまうと、その印象を覆せるほどの時間は与えてもらえません。

質疑応答の内容を的確に判断してもらうためには、まずは見た目から「この人の言うことは聞く価値がありそうだ」と感じてもらう必要があります。

賃貸仲介営業として働くうえでも顧客に良い第一印象を与えることは重要であるため、面接でも相手に清潔感や誠実さを感じさせるように身だしなみを整えましょう。シワのないスーツやシャツを用意するのはもちろん、面接の前には鏡を見て、ネクタイが曲がっていないか、髪が乱れていないかなどチェックしましょう。

賃貸営業で必要なスキルを知る！

面接を通過するために、賃貸仲介営業として働くうえで必要なスキルをしっかりと把握しておきましょう。

企業が求めるスキルを知ることで、面接でアピールすべきポイントや事前に準備すべき事柄も明確になります。

賃貸仲介営業に求められるスキルは、コミュニケーション能力・不動産の知識・法律の知識・パソコンスキルの4つです。

この4つについて、なぜそのスキルが必要なのか、身につけるためにはどうしたら良いのかも含めて解説します。

コミュニケーション能力

賃貸仲介営業でもっとも重要なのは、コミュニケーション能力です。

顧客のニーズに適う物件を紹介して契約へ結び付けるためには、まず顧客のニーズを引き出せるよう円滑に会話をする必要があります。

ただし、ただ話術が拓海というだけではコミュニケーション能力があるとは言えません。

顧客は今後の住まいという重要な選択をするにあたって、物件そのものの良し悪しはもちろん、その物件を紹介する営業も信頼に足る人物であるか見定めています。

顧客からの信頼を得るために、賃貸仲介営業は一挙手一投足まで気を配らなくてはなりません。

顧客のニーズを引き出す話術と、顧客からの信頼が得られるふるまいを含めたコミュニケーション能力は、賃貸仲介営業に欠かせないスキルです。

不動産の知識

賃貸仲介営業は、不動産全般に関する知識はもちろん、物件一つひとつについての知識も必要です。

建物構造ごとの特徴、角部屋と中部屋の良し悪しなど一般的な知識に加え、その物件ならではの設備や近隣の施設など、生活に欠かせない情報も把握しておかなければなりません。

こうした知識は机上では身につきにくいです。

担当する物件に実際へ足を運ぶ、または周辺を歩くなどして生の情報を得る必要があり、そういった情報を得ていれば顧客からの信頼を得られ、契約にも結び付きます。

結果的に企業からの評価も高くなるため、収入アップも期待できるでしょう。

不動産全般の知識、個々の物件に関する知識は、賃貸仲介営業として成果をあげるために重要なスキルです。

法律の知識

不動産の賃貸借契約には多くの法律が関わるため、賃貸仲介営業として働くうえで法律の知識は欠かせません。

契約を結ぶ際には宅地建物取引士（宅建士）が重要事項を説明しますが、内覧中などで法律に関する質問を受けた場合に備え、基本的な法律の知識は身につけておきましょう。

いい加減な知識で返答してしまうと、契約時や入居後にトラブルが発生するおそれもあります。

特に賃貸物件では借地借家法によって入居者の権利が手厚く保護されており、入居後にトラブルが起こっても、強制的に退去させるのは難しいため、未然にトラブルを防ぐことが重要です。

自分が契約を取った入居者がトラブルを起こすと社内での評価に響くおそれがあるため、法律の知識を身につけておけば、自分の身を守ることにもつながります。

パソコンスキル

賃貸仲介営業は契約書や重要事項説明書、チラシなどの書類作成業務も多いため、ある程度のパソコンスキルが求められます。

業務効率を上げるために、WordやExcelの基本的な操作はできるようにしておきましょう。

また、近年では顧客の多くが不動産情報サイトで賃貸物件を探すため、サイトの更新も契約獲得における重要な業務です。

特に遠方からの引っ越しを検討している顧客は、内覧したり不動産会社に足を運んだりする機会を減らすために、サイト上の情報だけを頼りに物件を探すケースもあります。

したがって、サイトを充実させることで契約に直接結び付く可能性もあります。

サイトに掲載する物件情報を充実させるだけではなく、レイアウトを工夫したり画像を編集したりして、顧客の目を引くサイトにするスキルがあれば重宝するでしょう。

【賃貸営業面接を攻略！】賃貸仲介営業はきついのか

不動産業界の営業はインセンティブが大きく、稼げるイメージが強い一方、仕事がきついイメージも根強く、他業界の営業からの転職をためらう傾向もあります。

たしかに賃貸仲介営業は土日祝日が書き入れどきで、連休なども休めない可能性が高く、不動産業界の中では年収が低い傾向にあるなど、きびしい側面があることは否めません。

しかし基本的にカウンター営業のみで飛び込み営業はなく、顧客との交渉もスムーズに進むケースが多いため、一般的な営業職に比べると仕事上のストレスは少ないと言えます。

どんな仕事に苦痛を感じるかは個人差の大きい部分ですが、前職で「顧客と話すのは好きだけれど、飛び込み営業のために1日中歩き回るのがきつい」「休日出勤はかまわないが、顧客に交渉を拒否されたり無理な条件を突きつけられたりするのが嫌だ」と感じていた方であれば、賃貸仲介営業ではさほどきついと感じずに働ける可能性が高いでしょう。

賃貸仲介営業は、仕事上のストレス軽減を重視して転職する方に向いていると言えます。

【賃貸営業面接を攻略！】賃貸仲介営業は未経験からでも転職できるのか

賃貸仲介営業は無資格でも就けるうえ、働きながら知識やスキルを身につけられるため、不動産業界未経験でも転職しやすい職種です。

もちろん、宅建士など不動産に関わる資格を持っていれば転職活動をより有利に進められます。

しかし未経験で不動産の知識が浅くても、顧客のニーズを丁寧に聞き出すコミュニケーション能力や、それに適う物件を紹介する提案力があれば、営業として十分成果をあげられるでしょう。

コミュニケーション能力や提案力は他業界の営業でも重視される能力であるため、前職でも営業職として結果を残してきた方であれば、その能力が活かせることを面接でアピールするのも効果的です。

こうした能力に加え、働きながら学ぶ意欲をアピールできれば、未経験からの転職でも不利になることはありません。

賃貸仲介営業で身につけたスキルを活かして、不動産業界の中でより年収の高い売買仲介営業に転職する、宅建士の資格を取得するなど、さらなるキャリアアップ・年収アップも目指せます。

まとめ

他業界から賃貸仲介営業への転職を目指す方へ向けて、賃貸仲介営業の実態を解説すると共に、転職の面接で注意すべきポイントもご紹介しました。

賃貸仲介営業は、販売営業や売買仲介営業と比べると不動産に関する知識が浅くても就けることから、他業界からの転職もしやすいという特徴があります。

その分、コミュニケーション能力は非常に重視されるため、面接でもコミュニケーション能力をアピールするように意識してふるまいましょう。

また、転職が成功したあとに賃貸仲介営業として活躍するためには、不動産や法律に関する知識を身につけなければなりません。

転職がゴールだと考えてそこで立ち止まるのではなく、転職後もスキルアップを目指して努力する必要があります。