ソルジャー採用って何?特徴や企業の見分け方なども徹底解説!
はじめに
就職活動を始めるにあたって、エージェントのサイトに登録する、説明会を聞くなどの活動だけではなく、インターネットの掲示板で情報収集している学生も多いかもしれません。
掲示板では普段耳にしないような専用用語が飛び交っています。
その中でも「ソルジャー採用」という言葉をよく目にするはずです。
直訳すると「兵士の採用」となりますが、いったいどんな意味なのでしょうか。
ソルジャー採用を取り入れている業界の特徴や、入社後の注意点も合わせてご紹介します。
ソルジャー採用とは
ソルジャー採用とは、出世もせず生涯現場で平社員として働く人材を採用することです。
悪い言い方をすると「いつ辞めても代わりはいる」と使い捨てのような形で採用することを、戦場で朽ちゆく名もなき兵士に例え、皮肉めいた形で使っているのです。
「一定レベルの大学以下はソルジャー要員」と、学歴で区別して採用活動することを、ソルジャー採用と呼ぶこともあります。
しかし現在は状況が少し変わり、出世できる才能があるかより、も採用数を意識して選考を行う会社が増えました。
特に離職率が高い銀行や証券、不動産などの離職率が高い業界でソルジャー採用が行われています。
つまり、出世できる才能があるかよりも、採用した中から抜きんでる人材を探すという形で、「質より量」のスタイルで選考を行っているのです。
ソルジャー採用者の特徴
辞めることを前提として現場で働く人材を大量に雇う、というのがソルジャー採用であるとわかりました。
ブラックなように聞こえますが、大手企業のほとんどがソルジャー採用といわれています。
たくさんいる同期の中で出世できるのは優秀な一握りで、その他大勢はずっと現場で働くソルジャーとなるのです。
それでは、ソルジャーとして採用された学生は、実際に入社後はどのような環境で働くのでしょうか。
収入や業務の面などさまざまな視点から見て、3つピックアップしました。
収入は意外と高い
「辞める前提で雇う」と聞くとぞんざいに扱われるようなイメージもあります。
しかし、ソルジャー採用をしている会社は、平均より給与が高いという特徴があります。
大量採用をするということは、従業員数が多い大手企業というケースが多いです。
会社の規模に応じて、当然社員への手当は手厚くなります。
ソルジャー採用の中でも特に多いとされる営業職は固定給+歩合制を用いている企業が多いため、成績次第では平均を大きく上回る収入が得られる可能性も大いにあります。
また、大手企業では寮や家賃補助などの福利厚生が充実しているために、生活費を差し引いても、手元に残るお金が多いのもメリットです。
このようにソルジャー採用は、現場はきびしくとも高収入を約束される企業が多いのです。
仕事がずっと激務
収入は良くとも、ずっと現場での激務が続くのはソルジャー採用枠の一番つらいところです。
一部の社員を除いたほとんどが、何年働いても一向に出世できず、現場で過酷な労働環境を強いられています。
また管理職になれなくても、営業職の中で出世することで、新入社員のころよりも業務量が増えます。
さらには若手の教育や、管理などの責任が増えることでプレッシャーとなり、モチベーションが低下する社員も多くいるのです。
高学歴であるからといって、必ず出世できるというわけではありません。
大企業なら早慶以上の学歴がある学生はたくさんおり、その中でも特に優秀な人材しか管理職にはなれません。
ソルジャー入社をした時点で、ずっと現場でノルマや目標を抱えて働くという覚悟をしなければならないのです。
生き残ることが難しい
次に、定年まで働くことが非常に難しいという特徴があります。
現場は過酷な環境にあり、大企業であれば数年単位で転勤や異動を繰り返すために、かなりストレスフルな環境に身を置くことになります。
そのために、とにかく体調やメンタルヘルスを崩す人が多く、休職する社員がとても多いのは否定できません。
また、そのような環境に耐えられないと、同期の社員が続々と、転職のために辞めていくのもつらいところです。
メンタルケアに重きを置いており、発症だけでなく予防のために、産業医のカウンセリングを設けるなど、対策を設けている企業も多く見受けられます。
しかし、それでも離職率は大幅には改善しません。
ソルジャー採用を行っている企業に採用されたのならば、体力だけでなく精神面でも酷使されると思って良いでしょう。
ソルジャー採用が行われやすい業界
このように、ソルジャー採用は高収入ですが仕事もきつく精神的にも過酷です。
実際にどのような業界でソルジャー採用は行われているのでしょうか。
まず、営業職は大量に雇われることが多いため、ソルジャー採用がもっともされやすい業種とされています。
そのため、特に総合職として就職したい人は企業選びをしっかりと行い、ソルジャー採用をしていない企業か調べましょう。
「大手だから」という安心感で入社を希望するのではなく、OBやOG訪問や企業研究をして、実際に働く現場が自分の描くキャリアビジョンとマッチするか、見極める必要があります。
ソルジャー採用をしている企業の見分け方
入社するのなら、ソルジャーとしてずっと同じ現場で働くのではなく、キャリアアップしていきたいと考えるのは誰もが同じでしょう。
せっかくエントリーシートや数回の面接を経て入社したのに、「使い捨て」として現場で酷使され続けるのは、とてもつらいものがあります。
それではソルジャー採用をしている企業は、どのように見分ければ良いのでしょうか。
注意すべき3つの点をあげましたので、エントリー時はぜひチェックしてください。
離職率が高い
ソルジャー採用をしている企業は、なんといっても離職率が非常に高いのが特徴です。
金融業界や不動産業界の一部では、3~5年以内に同期がほとんど辞めていくという話があるほどです。
ソルジャー採用枠は、リテール営業や現場担当や販売などの、ストレスフルで激務な現場に配属されるケースが多く見受けられます。
過酷な現場で戦い続けることを強いられるため、ほかの企業に転職するなどして、戦線を離脱する社員が多いのです。
それだけでなく、先述したように業務のストレスからメンタルのバランスを崩して、離職を余儀なくされるという社員も少なくはありません。
離職率の高さは、労働環境の過酷さと比例する、ソルジャー採用をしている可能性が高いと考えて良いでしょう。
採用人数が異常に多い
採用人数が非常に多い会社も、要注意と判断して良いでしょう。
大量に雇うということは、大量に人が辞めてしまう可能性も高いからです。
もちろん大企業ならば、毎年全国規模で採用活動をするために採用人数は多くなります。
また中小企業でも支店を増やす、事業拡大を拡大する、などのポジティブな理由で採用人数を増やしているケースもあります。
そのために大量採用していることが、ソルジャー採用とイコールになるとは言い切れません。
しかし会社の売り上げに対して、あからさまに採用人数が多い場合は、ソルジャー採用をしている可能性があります。
大量採用をしている会社は、業務内容だけでなくIR情報も見て、不自然な点がないかを確認すると良いでしょう。
ライバルの会社が多い
離職率や採用人数と同様に、ライバルや競合の企業の有無も見た方が良いでしょう。
同じ業界で同じ規模の会社では、必然とライバル企業となります。
ライバル企業への敵対心が強い会社だと、負けないようにとにかく売り上げを伸ばそうと、訪問営業や電話営業などのつらい現場できびしいノルマを課す傾向があります。
そのために、営業職にソルジャー採用を用いる企業があるのです。
つまり、「長く働いて会社に貢献してほしい」という視点で採用しているのではなく、ライバルを上回る売り上げのために、酷使する道具として雇われる可能性があります。
戦場での戦死前提の採用というわけです。
このように、ライバル企業との関係もチェックするようにしましょう。
まとめ
ソルジャー採用枠で入社すると、仮に「大手企業に勤務している」という肩書きを得ても、入社後はとてもつらい道が待っていると思って良いでしょう。
基本的に、企業もキャリアアップを見据えて採用していないために、よほど優秀でない限りは生涯現場で働きます。
また現場の環境も、ノルマや目標がきびしいことも多く、激務を強いられるケースがほとんどです。
そんな状況でがむしゃらに働いていても、自分より年次の若い社員に先を越されることもあるでしょう。
現場の仕事が好きで、生涯営業や販売を続けたいと考える人にとってソルジャー採用はメリットになります。
しかしそうでない人にとっては、ずっと平社員で同じ仕事というのは味気なく感じるでしょう。
社名や肩書きに惑わされず、企業が求める人材と自分のビジョンがマッチするかを見極めて、就職活動をするようにしましょう。
SHARE この記事を友達におしえる!