技術営業の自己PR例を紹介!職務経歴書の書き方からアピールポイントを解説
はじめに
転職活動をスムーズに進めたいと思うのなら、自身のスキルや経験、実績を効果的にアピールしなくてはいけません。
そのために活用されるのが職務経歴書です。
職務経歴書はある程度のテンプレートこそ存在します。
書く事が決まっている部分は内容に従って記入していけば良いのですが、注意が必要なのが自己PR文です。
自分がアピールしたいポイントによって効果的な書き方が異なります。
場合によっては、自分の強みや実績が相手にうまく伝わらなくなってしまいます。
そこで今回は技術営業職に焦点を当て、どのように自己PRを進めて行けば良いのかを解説します。
転職を考えている技術営業職の方は、ぜひ参考にしてください。
【技術営業の職務経歴書】技術営業の特徴
職務経歴書作成に取り掛かる前に、まずは技術営業の特徴について確認しておきましょう。
技術営業として適切な職務経歴書を書くためには、まず技術営業の業務内容や、ほかの職種との違いについてあらためて把握しておかなくてはいけません。
このプロセスをないがしろにすると、アピールポイントが相手にうまく伝わらない、自分本位な職務経歴書となってしまう可能性があります。
一歩引いた視点で技術営業について考え、どうすれば知識のない人にも具体的な業務内容や、強みが伝わるかを考えておくと良いでしょう。
専門知識
技術営業の特徴としては豊富な専門知識を求められることがあげられます。
ほかの営業職でも販売する商材や業界についての知識は求められますが、技術営業ではその傾向がより顕著なのです。
技術営業は顧客に対して適切な商品やサービスを提案するだけでなく、技術的な質問やトラブルにも対応しなければいけない場合があります。
また場合によっては技術営業自身が顧客から現場の不満やニーズを聞き取り、製品の調整や設計を行うこともあるでしょう。
この傾向から技術営業は「セールスエンジニア」と呼ばれることもあります。
実際に技術営業の担当者は、専門知識や技術のバックグラウンドをもっているケースも少なくありません。
エンジニアをはじめとする技術職の経験者が、そのスキルを活かした転職先として技術営業を選択することも多く見られます。
技術提案
技術営業の主な仕事内容は顧客への営業とエンジニア業務です。
営業としては技術職ではない通常の営業と一緒に現場へ出向き、専門的な知識がないと回答をすることが難しい質問に対応します。
また専門的な知識を活かして、顧客にとって有益な技術提案を行うこともあるでしょう。
一方、技術営業はすでに成約した顧客のもとでエンジニアとして働く場合もあります。
そういったケースでは製品のサポートやメンテナンスのために、顧客と長期的な関係を築かなくてはいけません。
顧客から聞き取った意見を社内に持ち帰り今後の開発に活かす、その橋渡しとしての役割も求められます。
つまり技術営業は営業としてのコミュニケーションスキルと同時に、エンジニアの専門的な知識が求められる職種なのです。
この2つをあわせ持っている点は大きな強みとしてアピールできるでしょう。
功績が目で見えにくい
一方で技術営業から転職する際には、デメリットとなるポイントも存在します。それは功績が目に見えづらいことです。
技術営業は一般の営業と違い、基本的にはノルマがありません。
なぜなら技術営業に求められているのは売り上げの数字より、成約のサポートと成約後のアフターケアだからです。
技術営業は顧客との良好な信頼関係を築き、エンジニアとして長く付き合っていくことになります。
ある意味では、自身の存在を製品への付加価値とすることが仕事の一部だと言っても良いでしょう。
このノルマがない点はある種のメリットではありますが、同時に功績を示す具体的な数値や成果を提示しにくいことも意味しています。
職務経歴書を書く際はこの点を意識し、功績がしっかり相手に伝わる内容となっているかを注意しなくてはいけません。
【技術営業の職務経歴書】自己PRのポイント
自己PRは、応募先企業に自分の強みを売り込む特に重要なポイントとなります。
採用担当者もこの項目を特に注目するので、他の応募者との差を見せるように書きましょう。
職務経歴書の項目では伝えられないようなことを記入できると、自分の魅力を存分に魅せることもできます。
では、技術営業の自己PRポイントとはどのようなことを記入すれば良いのでしょうか。
代表的な3つのポイントを紹介するので、しっかりと書けるように整理しておいてください。
実績を伝える
技術営業の転職活動では、これまで積み重ねてきた実績のアピールが重要です。
技術営業の仕事では、技術に関する知識に加えて営業のスキルも求められます。
そしてそのスキルの高さをアピールするためには、売上や契約件数などの数字にできる実績を記載しなければなりません。
具体的な数字で確認できる実績であれば、新たな就職先でもその数字に近い成果を挙げられるだろうと、採用担当者に期待を持たせることができます。
反対に数字のない実績しかない場合や、実績が記載されていないケースでは、自分を入社させることで得られる利益の目安を示せません。
企業としては自社に利益をもたらす営業を働かせたいと考えますから、その見通しが立たない応募者を入社させるわけにもいかないようです。
営業職における実績とは、応募先企業の業績をこれだけ上げられるという数字を示すことと心得ましょう。
知識・スキルをアピールする
技術営業では、技術職目線の知識やスキルも高いレベルで求められます。
自分はどのような知識やスキルを持っているかを、詳しく記載するようにしましょう。
知識やスキルを示すことは、応募先企業の仕事を続けていける能力のアピールにもつながります。
技術営業では担当する職種や業界によって求められる知識やスキルが異なるため、少しでも分野が違えば役に立つことはできません。
取引先とのコミュニケーションも円滑に進めることができず、営業としての仕事を続けることもできません。
採用担当者としても、その部分の認識のズレを起こさないよう慎重になります。
持っている知識やスキルを伝えることは、入社した後に役に立てることのアピールです。
これまで積み重ねてきた経験の他にも、持っている資格を伝えるようにしてください。
自分の知識やスキルが間違いないものであると明確に示すこともできます。
経験期間を伝える
技術営業における自分自身の能力をアピールするポイントとしては、経験も重要な要素です。
この場合の経験期間とは勤続年数ではなく、それぞれの職種を経験している期間を記載しましょう。
例えば技術職〇年、営業〇年などのような記載です。
経験期間が長いと、それだけ仕事に関わった日数も長いことになるので、その間に習得した業務への理解や実践経験の裏付けとしても機能します。
知識やスキルの高さを示す指標としても役に立つので、正確に記載できるようにしてください。
仮に経験期間が短い場合は、その期間にどのような仕事に関わったかの内容も付け加えることが大切です。
採用担当者としては、期間の長さも重要ですがその密度についても重要視します。短い期間に経験したことが豊富であれば、問題はありません。
採用担当者に不安を感じさせないような自己PRに仕上げましょう。
【技術営業の職務経歴書】自己PRの例文
コミュニケーション能力の自己PR例
コミュニケーション能力をPRするためには、自分がコミュニケーション能力を発揮してどのような成果を挙げてきたのかを示すことが有効です。
例文としては次のようになります。
調整力の自己PR例
調整力のPRでは、技術営業として営業職と技術職を橋渡しし、双方の連携を円滑に進ませる能力をアピールすると伝わりやすくなるでしょう。
例文としては次のようになります。
受注実績の自己PR例
受注実績の自己PRでは、具体的な数字を分かりやすく示すようにしましょう。
転職の場で有効なのは、契約件数や売上高、または粗利となります。
例文は次のとおりです。
テクニカルスキルの自己PR例
テクニカルスキルの自己PRでは、開発者としての実績を前面に出したアピールをすると効果的です。
よりうまく伝えるためには、開発者の経験を技術営業でどう活かせたかを記載するようにしましょう。
例文は次のとおりです。
臨機応変な対応力の自己PR例
技術営業では顧客の要望と営業担当の提案をうまくつなぎ合わせ、双方にとって最適な着地点へと導く能力が求められています。
最終的には営業担当のサポートをして契約に結びつけられるようなスキルをPRしましょう。
例文は次のとおりです。
提案力の自己PR例
技術営業は、顧客に対して自ら先頭に立って営業を実施する場合もあります。
その際には必要になるスキルは製品やシステムの提案力となるので、技術営業の自己PRでは提案力をアピールできるようにしておきましょう。
提案力は説明する能力と密接に関わるので、あらゆる業界で有効なスキルです。
例文は次のとおりとなります。
資格の自己PR例
応募先企業の業務に関連しそうな資格を保有しているならば、積極的にアピールするようにしてください。
特に募集要項に必須、あるいは保有者優遇とされている資格については必ず記載しましょう。
持っている資格について自己PR文を記載する場合は以下の内容が例文となります。
【技術営業の職務経歴書】アピールポイント
営業職とエンジニア職の技能が求められる技術営業は、その分アピールポイントも多く存在するのが特徴です。
今回は自己PR文に記載すると有効になるアピールポイントを大きく3つに分けて解説します。
自身が実際に担当していた業務の比重や功績が伝わりやすいエピソードがあるかどうか、これまでの経験を振り返って適切なアピールポイントを選んでみてください。
自分の専門性
技術営業がアピールできるポイントの1つ目は専門性の高さです。
質問への回答や提案など、技術営業はさまざまな局面で自身の専門性を活用することが求められます。
技術営業に勤めてきた実績は、なんらかの分野で高い専門性があることを意味しています。
職務経歴書では自身にどのような知識があり、どのような技術を持っているのかをアピールしましょう。
そこからさらに一歩踏み込み、その専門の中で自身にどのような強みがあるのかを伝えることも転職では重要です。
一方で専門性の高さをアピールすることにこだわりすぎると、相手に伝わりにくい職務経歴書となってしまう可能性もあります。
そういった事態を避けるために、解決した課題の具体的内容や提案の過程など、相手に功績が伝わりやすいエピソードを活用しましょう。
調整力
2つ目のアピールポイントは調整力です。
そもそも営業職は顧客と会社の間に立ち、双方の主張を調整する能力が求められる業種です。
技術営業はそれに加え、一般営業職と顧客の橋渡しをしなくてはいけません。
また、同時に顧客のニーズや不満を技術職に伝える役割も担当することになります。
このように技術営業職は一般営業職以上に、多様な立場の人々の間をつなぐことになり、その業務にはより高い調整力が求められます。
調整力は営業職以外でも、仕事を円滑に進めるうえで重視される能力なので、この点をアピールできれば転職で有利になるでしょう。
一方で調整力は数値化が難しい強みでもあります。
自分が間に立って調整することで、どのような変化が生まれたかをわかりやすく伝える手段について考えておくと良いでしょう。
コミュニケーション能力
3つ目のアピールポイントはコミュニケーション能力です。
これは先ほどの調整力と似た部分もありますが、良好な対人関係の構築に寄与する、より包括的な能力としてとらえられるでしょう。
営業職にとってコミュニケーション能力は必須スキルです。
たとえ高い専門性を持っていたとしても、顧客やほかの営業担当とうまくコミュニケーションが取れなくては、実力を発揮できません。
特に技術営業はサポートやメンテナンスで特定の顧客と長く付き合うことも多いため、初対面の相手との交流能力だけでなく、長期的な関係維持の能力も求められます。
職務経歴書では技術営業の業務内容をしっかり伝えつつ、高いコミュニケーション能力により仕事を円滑に進められる、契約を勝ち取れるといった点をアピールしましょう。
【技術営業の職務経歴書】書くべき項目
次は職務経歴書に記入するべき具体的な項目について解説します。
まずは職務経歴です。
今まで自身が働いてきた職歴を詳細に記述しましょう。
ここではその職務に携わった期間や所属していた部署・役職・昇進歴などについても具体的に記述することが求められます。
次の項目は仕事内容です。
ここでは実際に担当した業務について、取引相手の企業名、自身の専門分野、営業スタイルといった点を具体的に記述しましょう。
3つ目の項目は業績です。
上記の業務を通して、どのような功績をあげたか記述しましょう。
売上高や利益の伸び率といった数字、取扱商品といった具体的なポイントに言及すると、相手に内容が伝わりやすくなります。
4つ目の項目は資格です。
専門性に関わるものを中心に自身が持っている資格について記述しましょう。
その際、資格名は省略せずに正式名称を書くこと、スコアを明記することが大切です。
最後のポイントは自己PRです。
先述した技術営業のアピールポイントを組み込んで、自身の強みや長所などをアピールしましょう。
【技術営業の職務経歴書】職務経歴書を書くうえでのポイント
次はより実践的な項目として、職務経歴書を書くうえで押さえておきたいポイントや注意点について解説しましょう。
伝えたい内容が同じであっても、実際の書き方によって相手が受ける印象は大きく変わってきます。
アピールポイントや職務経歴など内容がある程度まとまって来たあとは、以下のポイントを参考に記述内容を推敲してみてください。
もちろん誤字脱字や文章の飛躍をチェックすることも大切です。
キャッチコピーを考える
職務経歴書に限らず自身のことを相手に伝える際は、まず明確な印象を与え、興味をもってもらうことが重要になります。
そして、その際に役立つのがキャッチコピーです。
しかしキャッチコピーと言っても、気の利いたフレーズやおしゃれな言い回しが求められているわけではありません。
ここでのキャッチコピーとは、自身がどのようなビジネスマンなのかを端的に言いあらわした言葉です。
人柄や能力についての要点がわかりやすくまとまっていれば、相手もアピールの要点をくみ取りやすくなるでしょう。
また、自身にとってもキャッチコピーを明確にすることでアピールポイントやエピソードの軸が決まり、取捨選択で失敗しなくなるメリットがあります。
自己分析やこれまでの仕事内容の振り返りを通して、自身のキャッチコピーを決めておきましょう。
企業側の視点で考える
職務経歴書を書く際に陥りやすい罠の1つが、自身がアピールしたいポイントばかりに目が向き、結果として独りよがりな職務経歴書になってしまうことです。
たとえ充分な実績があってわかりやすい自己PRが完成したとしても、それが企業の求めるものとずれていては意味がありません。
職務経歴書はあくまで企業に向けたものであり、内容の判断は相手の視点で行われることを意識しておきましょう。
職務経歴書を提出する企業の業種や求めている人材の種類によって、強調するべきポイントは異なってきます。
そして企業の視点についてしっかり把握するためには、自己分析だけでなく企業研究も必要不可欠なのです。
職務経歴書だからといって、自身の経歴や内面ばかりに目を向けていてはいけません。
具体性を持たせる
内容に具体性をもたせることは、相手にわかりやすく物事を伝えるテクニックの1つです。
売り上げや目標達成率など、具体的な数字を出せるものは、どんどん職務経歴書に盛り込んでいきましょう。
しかし先述したように、技術営業は功績が目に見えにくいケースも多く、仕事内容が必ず数字にあらわれるとは限りません。
数字が出せない場合に有効なのは、エピソードを活用する方法です。
技術営業でどのような課題が発生し、自身がどう動き、どのような結果につながったかを順序立てて記述しましょう。
課題となる企業のニーズや不満については、可能な限り具体的な内容を記述することで、エピソードに興味をもたれやすくなります。
自身の強みや企業の視点を考慮したうえで、使用するエピソードを選んでください。
専門用語を使わない
技術営業は専門性の高い業種であり、仕事内容や自己PRに関する記述では専門用語を使う機会も多くなりがちです。
しかし、職務経歴書を読む人事担当者が、その分野の専門家だとは限りません。
ある程度知識のある担当者でも、専門性の高い用語は充分に内容をくみ取れない場合もあるでしょう。
専門用語が相手に伝わらなかった場合、内容の解釈に食い違いが生じる可能性もあります。
そのため職務経歴書では、専門用語は極力使わず、平易な表現に直すことが大切です。
家族や知人など専門家でない人々にも査読を頼み、中学生でもわかるような文章を意識して、表現を見直しましょう。
なお、転職先の企業が自身の専門と一致している場合は、専門用語を多めに使っても大丈夫です。
企業研究を通して、どの程度専門用語を使っても大丈夫か判断してください。
まとめ
技術営業職は営業とエンジニアという異なる2つの側面をもった職種です。
業務としては技術的な質問への対応や成約後のサポート、開発設計などを行います。
転職の際は、主に高い専門性や調整力、コミュニケーション能力がアピールポイントとして役立つでしょう。
自己PR欄は、自分の強みや実績を自由にアピールできる貴重なスペースです。
自分の何を相手に伝えたいのかを明確にし、自分の魅力を余すことなく伝えられるようにすると、効果的に自分を売り込むことができます。
一方で職務経歴書を作成する際には、専門用語が多くなりがちな点、功績を具体的に伝えづらい点は注意しなくてはいけません。
技術営業としての経験や実績を、次の仕事へうまくつなげられるように、アピールポイントを考え、記述の方法を工夫してみてください。
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