住宅営業がきついと感じる6つの理由!改善策を徹底解説
「今、住宅営業をしているけれど、仕事がきつい……これは自分のせいなのか」
「ほかの人はどのようにして乗り越えているのだろう」
と悩んでいる人もいるかもしれません。
実は、そう感じている人はたくさんいるのです。
今回は住宅営業として働いている人たちが特に「きつい」と感じる理由を5つ解説します。
また、そのきつさをどうやって乗り越えるかについて、いくつか改善策も提案しています。
今後の仕事の参考に、ぜひ活用してください。
住宅営業の業務内容
住宅営業は、お客様それぞれの要望に沿って、住宅を形にしていく仕事です。
単に住宅を売り込むだけではなく、
その前段階である集客、お客様との商談・契約締結、住宅の引き渡し、入居後のアフターケアまでが業務に含まれます。
また住宅の形式も、設計段階からお客様の要望にそって作り上げる注文住宅や、自社持ちの土地に決まった間取りで建てる建売住宅、お客様の住宅を修理したり新しい設備を設置したりするリフォームがあります。
いずれにしてもお客様にとっては一世一代の大きな買い物です。
そのため、住宅営業は責任重大な仕事といえます。
住宅営業の1日の例
以下はとある住宅営業マンの1日の過ごし方です。
住宅営業の仕事は、お客様ありきです。
そのため、毎日同じルーティーンで仕事を進めていくわけではありません。
参考までにご覧ください。
9時30分:朝礼
10時00分:メールのチェック、見込みお客様へのメール送付
10時30分:テレアポ
12時00分:昼休憩
13時00分:お客様先(T様宅)へ出発
13時15分:T様と住宅設計の打ち合わせ
14時30分:展示場へ出発
15時00分:展示場にて見込みお客様K様と商談
16時00分:オフィスへ出発
16時30分:オフィスに到着し提案書作成
17時30分:お客様(H様)の施工進捗について協力会社と電話で打ち合わせ
18時00分:日報、営業システム入力、そのほか雑務
住宅営業の離職率は高い!
実は住宅営業に限らず、
特に、新規営業と呼ばれる新しいお客様を開拓していく過程で「きつい」と感じる方が多く、離職に繋がる傾向にあります。
新規営業はとても地道な作業です。
新規お客様を獲得するために電話をかけ続けたり、信頼関係を構築するために何度も訪問してアプローチしなければならないからです。
そんな努力が実らずに断られることも多いため、精神的なダメージを受けやすく、リタイヤしてしまう営業は少なくありません。
すでに取り引きのあるお客様を相手にした深耕営業やルート営業はある程度の信頼関係が築けていますが、住宅営業の場合は0から100までを繰り返す仕事なので、ハードルが高くなるのです。
企業としては離職率を上げないために働き方を工夫したり福利厚生を設けたりと、様々な努力をしているものの、3年間で50%以上が退職する不動産会社もあります。
住宅営業がきつい6つの理由
それでは、なぜほかの営業職よりも住宅営業の離職率は高いのでしょうか。
それぞれの企業や営業所ごとに異なる要因ももちろんあります。
ここでは業界全体に共通した理由を5つ見ていきましょう。
普段働きながら意識しない「きつさ」の理由を言語化することで、自分の気持ちを整理できるかもしれません。
ぜひ「自分はここが当てはまるけれど、ここは当てはまらないな」
「自分はこれが一番きついな」と考えながら読んでみてください。
実力主義
大きな理由の1つは、実力主義であることです。
もっとも象徴的なのは、給与体系でしょう。
住宅営業の給与は、ほとんどの場合基本給プラス歩合制です。
つまり、住宅を多く売れば給与が上がる半面、売れなければ低くなり、実力が年収に直結してしまうのです。
収入が上がらない、という実利的なデメリットだけでなく、
営業成績がふるわないことを数字で見せつけられる、という精神的なデメリットにもなります。
加えて昇進も営業成績次第なので、必然的に上司は営業成績の良かった人ばかりで占められています。
たとえ自分自身にあまり上昇志向がないとしても、
実際に成績を上げて昇進した人たちから「もっと売り上げをあげろ」と迫られるのは、プレッシャーが大きいものです。
ノルマがきつい
ノルマがきついのも、理由の1つです。
大手住宅メーカーでは、毎月1件の契約をとるがノルマになっている場合が多いようです。
新入社員の場合の最低ラインは2ヶ月に1件、5年目以降は3ヶ月に2件の受注が業界の相場とされています。
また、件数でなく売上金額でノルマ設定をしている場合もあり、単価が安い住宅では毎月複数の契約を取らないとノルマを達成できないこともあります。
しかし、住宅がそう簡単に売れるわけがありません。
世間の景気や税制改正によっても売り上げは大きく左右されますし、契約を1件取るために半年以上の交渉を重ねることもあるため、コンスタントに契約を取り続けるのは至難の業です。
ノルマ未達成が続くと、やみくもに退職を迫られたり冷遇されたりすることもあります。
土日に勤務もあり得る
住宅営業はBtoC(個人営業)です。
お客様の大半は働いている社会人であり、土日にしか時間が取れないという方も多いです。
そのため、営業活動はお客様の休日に合わせたスケジュールになります。
集客のために住宅展示場でイベントを開催したり、商談をするためにお客様の自宅に赴いたり、実際にお客様と対面するのは土日や祝日になることが多いのです。
特に平日に定休日が定められていない場合、出勤日もお客様の都合に合わせることとなり、休日の予定が急遽出勤することになった、ということも起こりがちです。
そうすると生活リズムが乱れがちになります。
加えて、なかなかプライベートの予定を立てづらく、家族や友人との時間が取れないことも想定されます。
なかでも子どもがいる家庭にとっては影響が大きく、女性の住宅営業が少ないことの大きな原因にもなっているのです。
残業が多い
前述したとおり、お客様の大半は働いている社会人です。
土日出勤と同様、お客様の都合に合わせて働こうとすると、どうしても平日の夕方以降に業務が入ることになります。
実際にお客様と対面したあとに事務処理を終えると、深夜になってしまうことも珍しくありません。
また、営業の仕事はお客様との対面がない間も、アポイントメントを取るための電話をかけたり、お客様への提案資料を作ったり、契約書を作ったりと、多岐にわたります。
フレックス制度などで残業を減らそうという動きもありますが、まだ出勤時間が決められている企業のほうが多数派です。
残業が多く長時間勤務する毎日が多い場合、睡眠時間が削られたり帰宅時間が遅くなってしまったりと肉体的に疲労を感じるきっかけにもなります。
社風が体育会系であることが多い
住宅営業に従事する方の中には、体育会系のような社風に悩んでいる場合も少なくありません。
体育会系とは、いわゆる努力などの根性論や自分より目上の人には絶対に従うことを重視する特徴を持っています。
住宅営業の現場ではよく「上下関係が厳しい」「成績が悪いと叱責される」などのケースがあるようです。
そのため、精神的なストレスが溜まりやすい環境とも言われており、「きつい」と感じる要因の一つになっているのかもしれません。
競合他社が多い
基本的に、住宅を買うお客様の大半は相見積もりをとったり、複数社と昇段を重ねて検討しています。
そのため、いくら商談がうまくいったとしても、受注まで至らないケースも想定されます。
レッドオーシャンな業界なので、他社との提案をバッティングさせて戦わなければならない可能性もあります。
住宅営業にもメリットはある!
ここまで住宅営業のきびしい面ばかりを見てきましたが、もちろん良い面もあります。
実際に同じ職場で働いていても、
「あの先輩はすごくイキイキと仕事をしているな」
「あの同期はどんどん仕事ができるようになっているな」
と感じる人が周囲にいることもあるでしょう。
そういう人たちが、住宅営業という仕事のどこに魅力を感じているのかわかれば、働き方のヒントになるかもしれません。
ここからは住宅営業のメリットを見ていきましょう。
高収入が期待できる
住宅営業として働く上でもっとも大きなメリットは、成果次第で高収が期待できることです。
住宅営業の給与はほとんどが基本給プラス歩合のため、年齢や勤続年数に関わらず、自分次第で収入を上げられます。
基本給は会社によって様々ですが、未経験からの転職の場合は20万円程度、営業経験者なら交渉次第で30万円近くまで上げることができるでしょう。
また、1棟あたりの販売単価が高い大手住宅メーカーの営業の年収は、平均で700万円から900万円程度となっており、日本の平均年収を大きく上回っています。
なかには20代で年収1000万円以上稼ぐ人もいるため、夢のある職種と言えるでしょう。
中小企業の場合はどうしても基本給が低くなってしまう傾向にありますが、歩合の部分は自分の頑張り次第です。
具体的な数字を見ると、やる気が湧いてくるのではないでしょうか。
やりがいを感じやすい
営業職のやりがいといえば、やはり契約が取れたときの達成感です。
しかし住宅営業の場合はそればかりではありません。
お客様にとって一世一代の大きな買い物を自分からしてもらえた、という感慨もひとしおです。
お客様の要望に深く寄り添い、それを形にすることが仕事のため、実際に住宅が出来上がったときには、お客様と協力して作り上げたという充足感も得られます。
アフターフォローという形でお客様と長いお付き合いになることもあり、感謝されることも多くなります。
さらに歩合給として、成果が目に見えるというのも大きなポイントです。
精神的な面でのやりがいだけでは、なかなかモチベーションを保ちにくいものですが、給与という形になると、毎月やりがいを実感できます。
コミュニケーション能力が身につく
もちろん住宅営業をしていれば、自然にコミュニケーション能力が身につくわけではありません。
しかし、営業能力を高めようと努力すれば、結果的にコミュニケーション能力も上がっていきます。
コミュニケーション能力とは、口先がうまいということではなく、相手の話をよく聞き自分の考えを伝えられる、つまり互いを理解しあえる能力のことです。
お客様から見れば、住宅を購入するという一大決心をする際、互いに理解しあえる、信頼できる営業担当者から購入したいと思うのは当然でしょう。
つまり住宅をたくさん売れる営業とは、たくさんの人から信頼される人でもあるのです。
住宅営業で身につけたコミュニケーション能力があれば、プライベートであっても、たとえ転職することになっても、人間関係がスムーズになるでしょう。
住宅営業がきつい時の改善策
「メリットがあるとわかっていても、やっぱり実際に働いているときつい」
「少し先のメリットより、すぐ目の前のデメリットが大きい」
と感じる人も、たくさんいると思います。
しかし、業務内容自体は変えられません。
また、休日出勤や残業といった職場の体質も、なかなか変わらないことが多いでしょう。
周囲を変えるのではなく、自分が変わることで仕事を楽しめるようになるのが良いかもしれません。
ここからは、自分でできる改善策を紹介します。
資格取得の勉強をする
住宅営業で一番苦しいのは契約がなかなか取れないときです。
契約が取れるようになるために努力できることはいろいろありますが、まずは結果が目に見える努力の1つとして、資格取得の勉強をしましょう。
知識を深めることでお客様に対して自信をもって振る舞えますし、同じことを話したとしても、有資格者と無資格者の言葉ではお客様からの信頼度は変わります。
また企業によっては、資格取得による昇給や資格手当が支給されることもあります。
給与にも関わることなので、本腰を入れて住宅営業として長く活躍したいなら、ぜひ資格取得を検討してみてください。
特におすすめの資格は次の2つです。
宅地建物取引士
建物の売買・賃借取引の際、重要事項説明を行うことができる資格が「宅地建物取引士」です。
住宅営業は提案から受注まで担当した後に、社内の宅建取得者が重要事項説明をする流れもありますが、お客様としては担当してくれた営業が最初から最後まで対応してくれた方が安心です。
なお、宅建の資格を取得するためには、毎年一回10月に実施される試験に合格をしなければなりません。
合格率は約70%と言われていますが、法令や税務関係の専門的な分野の問題もあるため、プライベートの時間を使ってある程度の勉強を設ける必要があります。
ファイナンシャルプランナー
住宅の購入は、人生で最もと言って良いほど高い買い物です。
そのため、お客様との商談時にライフプランという広い観点から提案することも必要です。
そこで役立つ資格がファイナンシャルプランナーの資格です。
金融の知識を持っていれば、ローンのプランニング時に固定資産税も加味した無理のないプランを提案することができます。
住宅に関する知識に長けているだけでなく、金融知識を持っている営業は信頼が得やすいため、競合他社のライバル営業マンとの差別化にも繋がるでしょう。
平日の休みを有効的に使う
住宅営業がきつい理由として土日勤務が多いことをあげました。
しかし、世間の人たちが忙しく働いている平日に休める、ということでもあります。
平日にしかできない用事、たとえば市役所や銀行での手続きなど、わざわざ有休を使って済ませなくていいのは、些細なようですがありがたいメリットです。
そうした実用的な面だけでなく、趣味や娯楽の面でもメリットがあります。
土日だと混み合っている舞台のチケットが容易に入手できたり、お得な割引プランを使って旅行に出かけたり、なかなか予約の取れないレストランでランチを楽しんだり、
平日が休みだからこその楽しみを見つけましょう。
休日にリフレッシュできた分、仕事にも意欲的に取り組めるようになります。
転職をする
さまざまな努力をしても、どうしても住宅営業がきつい場合もあります。
契約件数を上げてもノルマをさらに上げられてしまう、実績に対して給与が低すぎるなど、自分の努力だけではどうしようもないこともあります。
そんなときは、迷わず転職しましょう。
仕事のために努力するのは良いことですが、それは自分にとってプラスになる努力だけです。
自分の身体や精神を削ってまで、仕事を優先すべきではありません。
住宅営業のために習得したコミュニケーション能力や資格は、ほかの職に就いたとしても活用できます。
他業界の企業であっても、人事担当者は住宅営業のきびしさを知っていることも多いため、住宅営業で鍛えられた転職者を歓迎する企業はたくさんあります。
住宅営業へ転職する時の企業選びのコツ
求人サイトを網羅していると、営業職を募集している住宅メーカーは非常に多いと感じるでしょう。
今の会社が「きつい」と感じて転職を検討している方は、様々な住宅メーカーの中でもホワイトな環境で働きやすい会社を選びたいと考えているはずです。
そこで、この項目では住宅営業に転職をする時の会社選びでチェックしておきたい事項をご紹介します。
固定給が平均的
固定給が低すぎず高すぎず、という企業はホワイト企業である可能性が高いです。
もちろん、インセンティブのパーセンテージもチェックする必要がありますが、固定給が平均的だと新人営業にも優しい傾向にあります。
なぜなら、「固定給が低くない=社員への保証が手厚い」と言えるからです。
新人営業の場合は初受注までの道のりが長いため、一人前の営業になるまではある程度の保証が欲しいと考えるでしょう。
一方、いわゆるブラック企業と言われる離職率の高い会社の場合は固定給が低い傾向にあります。
もちろん会社によりますが、「稼ぐ」ことに対してのモチベーションを餌に、血のにじむような下積み時代を当たり前とする会社も少なくありません。
いくら仕事内容やインセンティブの高さが魅力的でも、固定給が平均に達していない場合は入社してから後悔する可能性もあります。
ある程度の固定給が用意されていることによって精神的なストレスが減り、仕事に集中できる環境が手に入るかもしれません。
ブラック企業への入社を避けるためにも、求人をチェックする時点から固定給についてはきちんと見極めておきましょう。
研修制度が充実している
住宅営業に限ったことではありませんが、転職の際は研修制度が充実している企業かどうかも重視してください。
同じ職種だとしても企業によって営業ノウハウなどは異なります。
住宅営業の経験がある場合でも、転職先の企業にとってあなたは新人です。
知識がまだ十分でない新人への教育制度が充実している企業は、営業へのサポートが充実している可能性があります。
充実した研修制度を行う企業は安定的な長期雇用を考えているので、結果的に良い人材が育つのです。
そのため、職場環境も良好な企業が多く、もし成績が伸び悩むようなことがあった時は実りのあるアドバイスやサポートをしてくれるはずです。
きっと更なるスキルアップも目指せるでしょう。
メーカーや自社製品の営業がおすすめ
安定的に高収入を目指すなら、代理店より大元であるメーカーを選ぶことをおすすめします。
なぜなら、1棟あたりの販売金額に対するインセンティブが違うからです。
メーカーの場合は販売金額から人件費や協力会社への手数料がそのまま会社の粗利になりますが、代理店の場合はそれに加えてメーカーへのロイヤリティの支払いが必要です。
メーカーよりも会社に入る利益が低くなるため、営業へのインセンティブも低くなる傾向にあります。
また、大手住宅メーカーの場合、古くからトップ営業マンを輩出している傾向にあります。
そのため、売れる営業のテクニックを直に学ぶ機会が多く設けられています。
稼げることに加えて、営業としての成長機会が多いことは、メーカーならではの魅力です。
有給取得率が高い
住宅営業は、お客様の都合によっては休日に出勤したり夜遅くに残業したりと、とにかくプライベートが潰されやすい仕事です。
営業の休日が不安定なことは業界的に当たり前のようにありますが、中でもホワイト企業と呼ばれる会社は有給休暇取得率が高い傾向にあります。
「普段プライベートを潰してまで頑張ってくれているから、有給休暇はしっかりとってね」という会社側の配慮が垣間見れれば、とても良い環境と言えるでしょう。
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まとめ
ここまで住宅営業がきついと感じる6つの理由と、その改善策について解説してきました。
実際に働いていても気づかないポイントや、今後の働き方のヒントは見つかったでしょうか。
「転職をする」の項目でも述べましたが、仕事よりも優先すべきなのは、自分の心身の健康です。
住宅営業を募集している会社はたくさんあるので、精神的な辛さが体調にまで影響が出ていると感じたら、転職を検討しましょう。
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