法人営業に必要なスキルとは?向いている人の特徴や転職に必要な準備を紹介!
法人営業は、企業を相手として自社の商品やサービスを提案する仕事です。
相手先企業はその商品やサービスを導入することで会社の利益を上げたり、生産性を向上させられるというメリットがあります。
そのため、法人営業は売り込み型ではなく「ソリューション型」であることが大半です。
また、個人営業とは異なり、一度担当した顧客を長く担当し続けることが一般的です。
経営者と顔馴染みになることも多く、得られるスキルややりがいも豊富にあります。
このコラムでご紹介するのは、そんな法人営業の仕事内容や、転職に必要なスキルなどです。
ソリューション型営業であるため、ある程度の交渉力やヒアリング力などの営業テクニックが必要ですから、転職する前に知っておきましょう。
【法人営業に必要なスキル】法人営業ってそもそもどんな仕事?
営業職は大きく分けると個人営業と法人営業があります。
法人営業に関心があり法人営業に転職したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
個人営業との違いについてまずは知ることが大切です。
そして法人がターゲットになる営業職において、必要になってくるスキルについても考えていきましょう。
そうすると自分に合っているかどうか、その仕事で活躍できるかが見えてきます。
法人営業の職に就きたい人は、ぜひ目を通してみてください。
法人営業の仕事内容
法人営業の仕事は多岐に渡ります。
まずは取引先となる企業を開拓する「新規開拓営業」から始まり、顧客が固定化したらあとは定期的にフォローをし続ける「ソリューション営業」が続きます。
また、商社やメーカーなどは既に取引のある企業に対して定期的に訪問する「ルート営業」も存在します。
新規開拓は、初めての企業を営業して商品アピールをして顧客を作っていく仕事です。
テレアポや飛び込み営業による地道な営業活動をし続けるため、行動力が必要です。
また、顧客が商品を導入したあとは、定期的なアフターフォローをしていきます。
導入後の状況に応じて新たな提案をする必要もあるため、関係性を壊さずに慎重にフォローしていく力が求められます。
また、ルート営業はすでに顧客である企業を定期訪問し、商品メンテナンスをしたり、新商品を勧めたりします。
なお、扱う商品は「有形商材」と「無形商材」とに分けられます。
有形商材は不動産や服、薬や日用品といった形のある商品を売る営業です。
一方無形商材は、人材サービスや保険、IT関連などの形のないものが当てはまります。
提案方法は会社によって異なりますが、一般的な法人営業職はまず営業ターゲットを絞りアポイントを取り、企業に伺って商談をしてクロージングという流れになります。
もっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
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【法人営業に必要なスキル】 法人営業と個人営業との違い
法人営業と対の関係にあるのが、個人営業です。
よく使われるBtoB、BtoCという言葉は、BtoB(Business to Business)が法人営業、BtoC(Business to Consumer)が個人営業のことをあらわしています。
企業などの法人が対象である法人営業に対して、個人営業は一般消費者にモノやサービスを売るビジネスモデルです。
「モノやサービスを売る」という点では同じですが、双方にはそれぞれ異なる特徴があります。
取引相手
法人営業の取引相手は企業などの法人です。
また、直接やり取りする人はその企業の担当窓口か経営者です。
専門メーカーだとした場合は仕入れ担当者が相手になり、人材や経営コンサルティングサービスなどの場合は経営者が相手です。
そのため、個人営業よりもビジネスライクな対応と論理的に提案する力が求められます。
一方の個人営業が相手とするのは一般消費者、つまり個人です。
個人営業では、個人の感情が購買力に左右されるため、「営業さんが良い人だから」という理由で購買に至るケースが多いです。
法人営業の場合は、企業としての決定がなければ購買につながりませんので、必要とする営業テクニックとしては法人営業の方が高いと言えるでしょう。
金額の規模
個人営業よりも法人営業のほうが、大きな金額が動く傾向にあります。
車や家などの高額商材もありますが、あくまで動くのは個人のお金なので、容易に売れるものではありません。
それに対して、企業では動かせるお金の規模が違います。
法人営業と個人営業では売る商品やサービスの価格帯が異なることもありますが、たとえ同じ商材でも大量ロットの購入につながるなど、高額な金額が動くことも珍しくないのです。
相手が企業である以上、商談に時間がかかる・論理的な説明を求められるなどの難しさはあります。
しかし納得さえしてもらえれば、一気に千万単位、億単位の金額を売り上げることも夢ではありません。
自身の営業で大きな金額が動くのは、法人営業の大きな魅力の1つです。
決済までの期間
法人営業が相手先企業の担当者に営業をした場合、「一度社内で検討します」と言われることが大半です。
これは、決裁までに時間がかかるためです。
相手が経営者でない限り、まず担当者は社内でその商品を導入して良いかを話し合います。
そして営業から出された見積書を上長に提出し、OKがでたら導入が決定します。
この段階で営業は「成約」が決まるのです。
決裁が取れるまでの期間は会社により異なりますが、大抵は1週間程度要するでしょう。
そのため、営業は一度提案したプランが可決されるまでヒヤヒヤしながら待っているという状況です。
なお、個人営業の場合は当日に契約が成立することもあり得ます。
そのため、現時点での成約件数に応じて、目標達成までどの程度行動数を稼げば良いかがわかりやすいです。
しかし法人営業の場合はある程度の検討期間を要しますので、目標到達までの予測を立てづらいことに苦戦することもあるでしょう。
すぐには手応えを感じにくいので、我慢強さを求められますが、その分成約したときの達成感も大きくなります。
長期間にわたる商談の途中で「当初は好感触だったのに反応が悪くなった」、反対に「突然チャンスが訪れた」などの変化があった場合は、相手企業内で検討のフェーズや状況が変わったと推測されます。
定期的に連絡を取りながらアンテナを張り、先方が求めている情報や不安を払拭するための追加説明などを、タイムリーに提供できるようにすると良いでしょう。
【法人営業に必要なスキル】法人営業に求められるスキル
法人ターゲットの営業職で身につきやすいスキルとしては、その業界に関する知識がまず挙げられます。
商品を勧めるにあたって、深堀りして話せるだけの知識がなければ魅力が伝わりません。
さらにヒアリング力や理論的な思考能力も法人営業で得ることができるでしょう。
そうしたスキルのある人材は、法人営業に向いていると言えます。
営業職のスキルに関して詳しくは「営業職 スキル」の記事をご覧ください。
仮説立てのスキル
法人を対象とした営業活動において、仮説立てをすることは多々あります。
なぜなら、提案しているものは商品ではなく、相手にとっては自社の課題を解決してくれるサービスだからです。
そのため、相手が「YES」と言えるようなグリップの強い提案が必要です。
その前提としてあるものが仮説です。
「この提案をしたことで相手企業にどの程度貢献ができそうか」「導入していただけた場合、どの程度生産性をあげられそうか」などを考えてプランを練る必要があるのです。
また、提案しているプランが失注になることも少なくないため、別プランを練って対策を取ることも必要です。
いくつかの仮説を用意しておき、相手のニーズに訴求できるような体制を整えておくことで成約に近づくのです。
コミュニケーション能力
営業という仕事は、ただ商品やサービスの説明をするだけではありません。
顧客と信頼関係を構築し、顧客が抱えている課題やニーズを会話の中から引き出し、それに沿った解決策を提案することで購買意欲を促します。
信頼できそうにない営業マンにわざわざ相談しようと思う方はほとんどいません。
そのため、初対面の人ともすぐに仲良くなれるような方は法人営業に向いていると言えます。
ただし、目的は仲良くなることではなく、顧客の合意を得て契約を結ぶことです。
そのため、話し上手であることよりも聞き上手であるということが求められます。
このとき、単に相手の話を聞くのではなく、適度に相槌を打つなど「聞く姿勢」を見せることも重要なポイントです。
ヒアリング力
営業と聞くとコミュニケーション能力が必須というイメージがあるかもしれません。
確かに世間話から契約のクロージングへとつなげていくことは大切です。
しかしながら、商品の良さだけを一方的に話し続けても、契約には結びつきにくくなっています。
法人営業で重要になってくるのは、相手が何に悩んでいるのかを読み取り、その課題を解決する方法を提案する力です。
そのためには何より、相手の話を聞いて相手の気持ちに寄り添うことが不可欠と言えます。
つまりはヒアリング力が欠かせないというわけです。
営業は物を売る仕事ではなく、「相手の課題解決のサポートを自社の商品サービスを使って支援する仕事」と言えます。
それゆえに、トーク力よりもヒアリング力が必要なのです。
交渉力
どの業界でも、営業職に交渉力は必です。
とくに法人営業の場合、提案が長きにわたることも多いため、様々な引き出しを持って交渉し続けることが大切です。
また、顧客相手の仕事ではどうしてもパワーバランスが崩れ、相手よりも下に出過ぎてしまうことがあります。
しかしそれでは売上を作ることはできません。
自社の利益を作ることを前提とした上で相手にメリットを与えなければならないため、WinWinの関係を均衡に保った状態で提案する必要があります。
交渉力がなければ、相手の要望をなんでも受け入れてしまうイエスマンになってしまいます。
論理的思考力
商品サービスについて相手にできるだけわかりやすく説明しなければ、商談へと発展しません。
法人営業では、説明能力も重要です。
言いたいことを的確かつ簡潔に伝えるためには、理論的な思考能力が求められます。
長々だらだらと説明しても、相手は疲れてしまいます。
課題を解決するための方法を提案し、それに対して自社の商品サービスがどういった効果があるのかを具体的に話すことが大切です。
相手の性別や年齢によって臨機応変な説明方法を考えることも必要ですし、時図案や写真などを使うなどの工夫もいるでしょう。
さらに相手を飽きさせないためのユニークな発言を取り入れるなどと、プレゼンテーションする力も磨かれます。
時間管理能力
法人相手の営業では、複数の案件を同時に進行させることも少なくありません。
同じ日程で別のクライアントと商談することも多いので、それらを円滑に遂行する時間管理能力が必要とされます。
営業マンが客先に訪問するケースが一般的なので、時間や場所を把握し、きちんとスケジュールを立てて行動することが大切です。
もし何らかのトラブルが生じた場合、商談や打ち合わせの開始時刻に間に合わず、場合によっては破談になることもあるため注意が必要です。
また、さまざまな場所に移動することが多い法人営業は、移動手段をあらかじめ決めておかないと無駄な移動時間などが発生し、効率が落ちてしまうおそれもあります。
特に初めて行くホテルやカフェでの打ち合わせの場合、土地勘がわからないこともあるので、普段以上に余裕を持って行動しなければなりません。
プレゼンテーション能力
自社のサービスや商品の魅力を端的に伝えられるプレゼンを行う能力も法人営業には必要です。
個人営業とは違い、担当者の一人の感情で契約につながるということは、法人営業ではめったにありません。
そのため、具体的にどのようなメリットがあるのかを、説得力を持ってわかりやすく伝えなければ相手の合意を得ることは叶いません。
その際、データや事例などを使うとより説得力が増すようになるので、データ収集能力も合わせて必要になってくると言えるでしょう。
また、プレゼンは資料づくりも大事ですが、話し方にも気をつける必要があります。
オドオドした態度や自信のなさは相手に不安感を与えるため、できるだけ堂々とした態度でハキハキと話すよう心がけましょう。
業界に関する知識
商品のメリットや特徴を具体的に話すためには、より深い業界知識がなくては難しいです。
他社の商品の違いも説明する必要があるので、他社研究もしておくべきでしょう。
さらに相手が個人ではなく企業なので、社会の流れや業界の動向も知っておかなければなりません。
このように考えると、ただその商品知識のみならず業界全体についても研究を重ねておく必要があると言えます。
社会や業界の知識を学ぶとともに、社会の変化も敏感にキャッチすることで、充実した営業内容になるはずです。
薄っぺらい営業では契約にはなかなかつながらないでしょう。
業界ごとの知識については、以下の記事をご覧ください。
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資料の作成スキル
わかりやすい説明をするためには、視覚に訴えることが効果的です。
自社の商品やサービスの詳細はもちろん、他社の商品・サービスと比較してアピールできる部分、
導入することで先方にどれくらいのメリットが見込めるかなどを、グラフや表を使って可視化しましょう。
資料を作成し提出することで、お客様となる企業内でスムーズに共有でき、決定権を持っている上層部にもメリットが伝わりやすくなります。
より効果的に法人営業を行ううえで、資料の作成スキルは不可欠です。
個人営業との求められるスキルの違い
個人営業では、顧客によりアプローチを変えるなど、臨機応変な対応が求められます。
また、お客様が個人の場合は「営業の人に好感をもてたから買った」のような例も多く、相手の懐に入り込む力も重要です。
一方で、法人営業では論理的思考やプレゼン力などを求められる傾向があります。
その商品やサービスが相手の企業にどんなメリットをもたらすのかを論理的かつ、
具体的に説明できなければ、たとえ担当者との相性が良くても、企業内の検討段階で弾かれてしまうからです。
【法人営業に必要なスキル】法人営業に向いている人
営業は誰でもできる仕事とは言え、やはり向き不向きはあります。
さらに個人営業と法人営業とでも、適性はやや異なります。
法人をターゲットにする営業職は、どういった人が向いているのでしょうか。
法人営業の適性スキルとしては、理論的な考え方ができる人や知識への好奇心と成長力がある人、さらに相手に寄り添う思いやりなどが挙げられます。
以下に詳しく見ていきましょう。
相手に寄り添うのが得意な人
そもそもが営業の根本にあるのが、お客様の抱く悩み事を自分のことのように捉え、一緒になって解決法を考える姿勢です。
そこから自社の商品サービスを活用した解決方法を提案し、相手の問題解決へとつなげていきます。
いくらクオリティの高いおすすめ商品であっても、そのお客様のニーズに合わなければ意味がありません。
さらにお客様の気持ちに寄り添うことをせずに、一方的に商品の宣伝ばかりしても相手は購入してくれないでしょう。
法人営業では、客となる企業がどういった課題を抱えているかを読み取る力が必要です。
そしてその課題を解決する方法を提案していくのが主な業務です。
相手のことを思いやり悩みに耳を傾けるヒアリング力がある人は、法人営業に向いています。
論理的に考えられる人
人は感情的思考の人と理論的思考タイプとに大きく分けることができます。
法人営業に適しているのは、理論的思考タイプと言えます。
理論的思考であれば、効果的なヒアリングができるうえにわかりやすく説明することも可能です。
理論的に考えるには冷静な判断力や効率の良いやり方が基本となります。
たとえば相手の悩みに対してひたすらいつまでも感情的になって聞いていても、それでは仕事になりません。
理論的に聞ける人であれば、「なぜそうなったのか」「だからどうすれば良いのか」
と、ロジカル展開していくことができるのです。
そうした思考の人は要約も得意でしょうし、冷静な考え方と態度はクロージングにおいてもプラスに発揮できるはずです。
法人営業ははじめの世間話では感情論でも良いかもしれませんが、
肝心な時は理論的思考に切り替えなければ契約へと至りません。
顧客との人間関係を安定して保つためにも、理論的思考であることは重要と言えそうです。
これは新規開拓営業、ルート営業、どちらの場合にも当てはまるでしょう。
必要な知識を勉強していける人
商品知識はもちろんのこと、業界知識やそのお客様との会話で役立つ知識が豊富な営業マンは、慕われますし長く関係が続きます。
知識が豊かであると話も盛り上がりますし、お客様から見ても「できる営業マン」というイメージができあがります。
やはり誰しも、信頼できる営業マンから商品購入したいものです。
どこか曖昧で不安が残るようでは、購入するのも躊躇してしまうのではないでしょうか。
もちろんはじめは誰しも、知識はゼロに等しいです。
そこから必要なことを学ぶ姿勢、そして学習していく能力は法人営業をしていくうえで欠かせません。
好奇心旺盛で勉強熱心、新しい知識もどんどん吸収していける人材は法人営業向きです。
【法人営業に必要なスキル】営業スキルを上げるコツ
ここまで法人営業に関するあらゆる情報をご紹介してきましたが、「難しそう」と思った人も多いことでしょう。
しかし、法人営業としてキャリアアップするためのコツは非常にシンプルです。
安定的に売上を上げ続けるためには、売れなかったときにすぐ改善策を考えて行動したり、営業テクニックを上げるために学び続けることが大切です。
また、「顧客の課題」という一つのテーマに対して多面的に物事を見ることも必要です。
今からご説明するのは、法人営業としてまず癖づけておきたい3つの行動です。
継続的におこなっていくことで営業テクニックが向上しやすくなりますので、ぜひ参考にしてください。
改善点と解決策の洗い出し
営業職はどんなにベテランだとしても、売上に波があるものです。
先月まではハイ達成していた人が、今月はボーズ(売上0円)が続くということも珍しくありません。
しかし、伸びる営業は売れない時こそ行動します。
まずはなぜ売れていないのか、どこに課題があるのかを洗い出し、改善点を見つけて解決策として落とし込んで行動するのです。
反対に、伸びない営業は売れていない状況に落ち込むばかりで何も行動しません。
「失敗は成功のもと」とよく言いますが、まさに法人営業が売れるようになるためのヒントは失敗した経験に眠っているのです。
学習をし続ける
営業テクニックは入社時にある程度学びますが、慣れてきたとしても学び続けることが大切です。
失注してしまったときにはもう一度営業テクニックの本を読み直してみたり、先輩に相談してアドバイスをもらうのも良いでしょう。
また、提案している商品の市場についても学び続ける必要があります。
業界によって市場は全く違いますが、現代の日本社会ではどの分野でも目まぐるしく市場が変化しています。
例えばITの分野なら、AI技術が発達しているためレッドオーシャンの状況です。
人材なら年々変わる求人倍率を追って採用市場を知っておくことが必要でしょう。
なお、学ぶためのツールは何であっても構いません。
営業テクニックなら本でも良いですし、最近ではYoutubeなどの動画配信サービスで学ぶことができます。
業界の知識を高めるためにはビジネス系新聞を読み込むのも良いでしょう。
分析する
法人営業は顧客の課題に対して向き合っているため、常に分析する必要があります。
顧客から相談された一つの課題に対して、その課題の解決策がどこに眠っているのか、同業他社と比較してどうなのかなど、多面的にみて分析することで解決の糸口が見えてきます。
また、法人営業は顧客と長期的なお付き合いをするため、継続的に契約し続けてもらえるように新しい提案をすることが必要です。
常に相手のニーズをとらえ、課題や解決策を見つけるために分析することで、より相手のニーズに合致した提案ができるようになります。
【法人営業に必要なスキル】法人営業のスタイル
法人を相手にする営業職は、業種や扱う商材によってスタイルが変わります。
たとえば、従業員用のお弁当を扱う業種と、加工用の大きな機械を扱う業種では、売り方や顧客との距離感などが違うのは明白でしょう。
今まで個人相手の営業をしていたけれど、法人営業にも興味が出てきたという方も多いでしょう。
しかし、法人相手に自分のスキルが通用するのか不安に思う方も少なくありません。
法人営業にはさまざまなスタイルがありますが、ここからは代表的な3つのスタイルを紹介していきます。
企画営業
企画営業は、クライアントの課題をどのように自社の商品が解決できるかということを提案し、契約獲得に向けてアプローチする営業スタイルです。
そのための第一ステップとして、自社の商品がマッチしそうな新規のクライアントを探すことから始めます。
次に電話やメールなどでアポイントを取り、商談の場を設けることができたら顧客の抱えている課題を探ります。
その課題に対し、自社の商品でどのような解決ができるのかということを提案しますが、一度の打ち合わせで契約となるケースはあまり多くはありません。
複数回の商談を重ね、クライアントが納得することで契約となります。
具体的に、保険業界や広告業界はこの企画営業のスタイルを取ることが多いようです。
ルート営業
ルート営業は、既存のクライアントに定期訪問する営業スタイルです。
顧客との関係性を維持しつつ、新商品の提案やアフターフォローを行うのです。
このスタイルは、売り切り型ではない商材を扱う業種に多くあります。
具体的には、専門商材や保険などを扱う業種です。
たとえば食品の卸売営業だとした場合、相手先の飲食店に対して定期的に訪問します。
使っている業務用食材に問題がないかヒアリングしたり、季節限定メニューで使用する食材の提案をすることで、継続的に取引を続けます。
なお、ルート営業は自分で契約を取った案件でないものが引き継がれることも少なくありません。
このような場合、前任の営業から引き継ぎを行い、認識のずれが発生しないよう注意する必要があります。
また、ルート営業は基本的に飛び込み営業やテレアポなどは行わないため、営業未経験の方でも始めやすいと言われています。
長い間クライアントとの関係を良好に維持する必要があるため、より高いコミュニケーション能力が必要ですが、新規開拓を行わない点では働きやすいでしょう。
コンサルティング営業
コンサルティング営業は、コンサルタントと営業の中間のような役割です。
クライアントの経営面など根本の課題をヒアリングし、それを解決する手段として自社の商品やサービスを販売するという営業スタイルです。
単に自社の商品を紹介するのではなく、状況に応じて他社の商品やサービスも紹介し、顧客の課題の総合的な解決を図ります。
具体的には、IT営業や人材営業が該当します。
ヒアリングによって得た情報などを整理し、潜在的な課題を見える化したうえで商品やサービスを提案し、最終的には顧客の課題を解決することがゴールです。
そのため、高度なヒアリング能力や顧客に寄り添う柔軟な対応力が求められます。
【法人営業に必要なスキル】法人営業のキャリアパス
キャリアパスとは、仕事の最終目標と、そこに向かう道筋のことです。
法人営業と個人営業の特徴や求められるスキルは異なりますが、キャリアパスに大きな違いはありません。
想定されるのは、「管理職になる」「営業を続ける」「独立する」の3ルートです。
法人営業に携わる中で、自分自身がこの先どのような形で仕事を続けていきたいのか、何にチャレンジしていきたいのか、
何をしているときに充実感を得られるのかを見極めてロードマップを描きましょう。
管理職
企業に正社員として所属している場合に大きな目標となるのが、管理職に就くことです。
たとえば、営業チームのマネージャーになったり営業課長になったりなどです。
新規事業の事業部長として新たな道を進むのも良いでしょう。
なお、管理職になるためには、営業チームの誰よりも長けた営業力と、人を育てる力が必要です。
管理職を目指すなら、まずは同僚や後輩への気づかいやフォローなどから目を向けてみると良いでしょう。
自分の営業成績以外の部分についても、日頃から意識することで、上に立つ人の素質が磨かれていきます。
また、新人教育は積極的に担当すると良いでしょう。
一人の後輩でも、誰かに教えることで人を育成する力も身につきます。
営業を続ける
営業のなかには、あえて管理職にはならず、現場で営業を続けるという道に進む人もいます。
管理職になると担当する顧客数が減り、人材育成に集中しなければならないため、根っからの営業好きな人はずっと現場で活躍することにやりがいを見出すようです。
また、ベテラン営業マンは、若手や中堅営業マンの良き相談相手になれます。
たとえ管理職にならなくても、後輩を育てる立場になるという点は同じです。
なお、営業はインセンティブで稼げる仕事であるため、管理職手当よりもインセンティブをもらったほうが稼げる場合もあります。
出世をせずともキャリアアップも年収アップもしやすいというのは営業職のメリットの一つなのではないでしょうか。
独立する
起業などで独立する道も、キャリアパスを考えるうえで選択肢の1つになります。
とくに法人営業の経験を持つ人は経営者に接する機会も多く、自分で顧客開拓をする力を持っているため、独立という道が身近にあるようです。
また、独立後は法人営業で培った論理的思考やプレゼン能力が役に立ちます。
営業としてではなく、経営者として商談にのぞむ際は高度な交渉力が必要なため、「やっていてよかった」と思うシーンが多々あるでしょう。
また、法人営業を行うなかで培った人脈も、起業後に活かせます。
近年は転職や独立に寛容な企業が増えていますし、独立後に前職の企業と取り引きをするなどの事例も珍しくありません。
将来的に独立を考えている人は、今担当している顧客はもちろん、会社とも良好な関係を築いておくと良いでしょう。
【法人営業に必要なスキル】法人営業に転職するには?
法人営業は、比較的異業種からも転職しやすい仕事です。
法人営業の求人は多いうえに、「初心者歓迎」と書かれてあるものもたくさんあります。
内容は深いのですが、誰でもできる仕事である点も魅力です。
法人営業への転職について、詳しく見ていきます。
特に資格はいらない!
法人営業が未経験者でもできる大きな理由として、特に資格が不要であることが挙げられます。
そもそも営業に必要なスキルは、資格よりも経験によって学ぶことが多いからです。
異業種から転職する場合に、資格よりも大切になってくるのは前職での実績や頑張りです。
さらになぜ法人営業をしたいのかという志望動機も面接では重要視されます。
未経験でも思い切ってトライするとともに、
営業マンとしてどのように活躍したいのか志望動機をしっかりとアピールしましょう。
自己分析をして自分の長所やスキルを知って、営業に活かせそうなスキルに関しては大いに伝えたいものです。
内容の濃い志望動機を伝えるには、事前に企業研究をしておくことも大切です。
転職エージェントを利用しよう
法人営業の仕事内容や身につくスキルに魅力を感じて、個人営業から法人営業に転職したい、別の職種から法人営業を目指したいと考えている人もいると思います。
法人営業をはじめとした営業職への転職には、転職エージェントを上手に活用しましょう。
1,000社以上ある優良企業の中から、希望や適性に合った転職先を紹介してもらえます。
中でもおすすめのサービスは「アゲルキャリア」です。
アゲルキャリアは20代の営業職に特化した転職エージェントです。
内定率は驚異の95%と、かなりの数字を誇ります。
また、選考に進んでからもスタッフの手厚いサポートを受けられるので、エントリーシートや面接で何をアピールすれば良いかわからないなどの不安も解消できます。
忙しいあなたのために365日24時間いつでも対応が可能ですので、気になる方は是非この機会に利用を考えてみてください。
まとめ
一般的な法人営業の特徴や業務内容、そして必要なスキルなどを紹介しました。
トーク力だけでなくヒアリング力が重要視されることなど、意外に感じた人もいるかもしれません。
法人営業への向き不向きも把握できたはずです。
法人営業は自身の頑張りが数字としてわかりやすく、自社の発展にも直接的に結びつくやりがいのある仕事です。
傾聴力があり理論的思考で、さらに必要な知識をどんどん学び成長していく意欲がある人は、
法人営業にトライしてみてはどうでしょうか。
未経験者でもできる仕事なので、転職して活躍できる可能性も十分にあります。
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